4 ぼくにもできるよ おるすばん
さてさて神社の 子になった
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
じいちゃん神様 もくひょうに
いっぱいいっぱい がんばって
まいにちまいにち しゅぎょうした
がんばりすぎて つかれたら
げんきな村の子 女の子
ふたりであそんで くれました
(どんどんどんぐり こえだをさした
おててでじょうずに まわしてごらん
くるくる くるくる こーろころ
たのしいこまの できあがり)
じいちゃん神様 おしえておくれ
“ごえん”をむすぶの どうやるの?
どのことどのこを むすんだら
にこにこえがおに なれるかな?
「これこれ りすの子 あせるでないよ」
じいちゃん神様 いいました
「おまえがもっと おおきくなって
“へんげ”ができれば むすべよう」
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
うんとこやっとこ しゅぎょうした
ちんじゅのもりの おおくすの
はっぱにたまった あさつゆで
ちっちゃな神社の はいでんを
きれいにすみずみ みがきます
ひとにどうぶつ くさきにさかな
島にすんでる みんなのために
こまってないかと ぱとろーる
からだこわして いたのなら
おてんとさまと おつきさま
めぐみをいっぱい はにうけた
やくそうせんじて とどけます
なみだをこぼして いたのなら
たのしいゆめを みられるように
すてきなかおりの はなをつみ
そっとまくらに とどけます
じいちゃん神様 おしごとで
“ごえん”をむすぶに つかうのは
きんぎんすなご あやにしき
あかあおきいろに はなやいだ
いろとりどりの “えん”のいと
たくさんのいとを きれいにならべ
神社のたんすの ひきだしに
とりだしやすく しまうのも
だいじなだいじな しゅぎょうのひとつ
“ごえん”をむすぶ ひとびとに
ぴたりといちばん ふさわしい
いとをすぐさま だせるよに
こころをこめて たいせつに
にじがごとくに うつくしく
かぞえてならべて しまいます
あめのひかぜのひ ゆきのひも
しゅぎょうのひびを りすの子は
いっしょけんめい がんばりました
ちっちゃなからだで なまけずに
まいにちくるくる はたらきました
そんなあるひに やってきた
さんぼんあしの やたがらす
おとどけものだと もってきた
おくちにくわえて もってきた
きらきらひかる そのしらせ
<神様けんてい さんきゅう ごうかく>
やったよ じいちゃん ぼくできた
ちんじゅのもりの あきのひに
ちっちゃなちっちゃなりすの子は
ついになれたよ 神様に
うれしいきもちを いっぱいに
けなみをくしくし ととのえて
ぱたりぱたりと しっぽもゆれる
みんなであつめた ごうかくいわい
しいのみ くるみに くり ぎんなん
どんぐりつまった ほほぶくろ
ぷくぷくふくらみ ごきげんな
ちっちゃなちっちゃな 神様は
ちっちゃなちっちゃな むねをはり
そよぐおひげも ほこらしげ
「よしよし ながねんがんばった
さんきゅう とれれば ひとあんしん
島のなかなら だいじょうぶ
おまえにるすいを まかせよう」
じいちゃん神様 たいこばん
神社のるすばん たのみます
「じいちゃん神様 どこいくの
よるにはかえって くるのかなあ?」
「いやいやりすの子 もそっとかかる
ながねんいけずに あきらめた
<しるばー神様 ゆうゆう会
たかまがはらの おんせんめぐり
どどんとれんぱく ごじゅうねん>
これに行こうと おもうとる」
じいちゃん・・・
いくら神様の時間はゆっくりだからって
50年は張り切りすぎだとおもうの。