3 じいちゃん神様 よろしくね
「そうかえそうかえ
たいしたものじゃ
よりよき“ごえん”にめぐまれた」
神社の神様 いいました
「ここの神社は つかさどる
ひとののぞみの えんむすび
これも何かの“えん“じゃろう
えにしにひかれた りすの子よ
としへたじじいの でしとなり
ここの神社を つがぬかや?」
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
ちっちゃなちっちゃな その首を
こてんとたおして かんがえる
きのうのひるより ちょっとまえ
男の子たちが はなしてた
みんなでわになり たのしそに
えんそくもってく おべんとう
おいしいおむすび てんころり
しゃけにおかかに しおむすび
えんむすびって おいしいの?
ぼくもおいしく たべたいなあ
「いやいやりすの子 そりゃちがう
“えんのじ” “おのじ”で おおちがい
むすんでくらうは おむすびじゃ
えんむすびとは ちとちがう」
「えんむすびとは なにかととえば
だれぞとだれぞを つないでむすび
あいみたがいに 引きあわす
わしも子りすも 村の子たちも
ここにこうして 出会えたは
なにをかくそう “ごえん”のおかげ」
「子りすとあえたが わしゃうれしい
りすの子おまえは いかがかの?」
あらしのよるから ひとりぼっち
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
女の子たちや 神様の
やさしいまなざし にこにこえがお
かあさんみたいな いいにおい
こころがぽかぽか うれしくなって
みんながとっても だいすきに
いつのまにやら なっていた
「あのねのあのね きいとくれ
じいちゃん神様 ねえさんたちも
いっぱいいっぱい だいすきです
じいちゃんちの子に ぼくなりたい!」
「そりゃまた ほんに うれしきことを」
「りすくん りすくん よかったね」
「いっしょにいっしょに あそぼうね」
みんなわらって にっこにこ
子りすのあたまを やさしくなでた
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
こころにともった ともしびに
ゆびきりげんまん おやくそく
えんむすびって すてきだな
ぼくもむすぼう すてきな“えん”を
みんなでなかよく できるよに
ちっちゃなしあわせ いのるよに