14 そないならちょい いきまひょか
「くり(庫裏)」というのは
「おてらやじんじゃの、おきゃくさんのへや」のことです。
おばけがうろうろ うろついて
どんよりにごった くうきのなかを
ほそいさんどう ぬけたさき
ちいさなとりいを くぐったとたん
くさいにおいが きえました
さすがは神の おわすばしょ
どんなにちっちゃな 神社でも
けがれなきこと はなはだし
村をまもりし しんいきで
おかっぱねえさん ひさしぶり
ちっちゃなちっちゃな 神様に
おいごのおれいと ごあいさつ
「りすくんりすくん ひさしぶり
すっかりりっぱな 神様で
なんだかとっても うれしいわ
おいっこまもって くれたのね
ほんとにほんとに ありがとう」
「おはつにおめもじ いたします
うかの神さん おつかいで
京のはずれの いなりから
こちらのおみやに おじゃまします
ちぃっとうるさく なるやろが
あんじょうよろしゅ たのみます
あにさんまもって くらはって
ゆんべはほんま おおきにな」
おいなりさんの あとつぎさん
おかっぱさんと ふたりして
おみきをそなえて ごあいさつ
おおきなきつねの 神様の
げきといわれた しょうねんを
はじめて目にする りすの神
きらきらごしんき かがやいて
よこぶえ かがみも こうごうしい
とっても ちからの あるようす
これならきっと だいじょうぶ
きたいをむねに りすの神
ただただこくこく うなづくばかり
ねむれぬよるを すごしてた
どんどんどんぐり 男の子
おてんとさんの あるうちは
おばけもかくれて いるだろと
まもりをかためて ひといきついて
ぱたんとたおれて ぐうすかぴー
いとことおばさん たのもしく
あんしんしきった 男の子
ようやくぐっすり ねむれます
ちっちゃな神社の くりのなか
ふとんにくるまり しらかわよぶね
おいなりさんの あとつぎは
こまったような うれしいような
なんともいえない えがおでもって
いとこのねがおを ながめます
のんきだけれども やさしいあにさん
ここまでよわらす おおおばけ
いなりのげきの なにかけて
きっちりかっきり おとしまえ
つけてやろうや ないどすか
わらべすいかん てにとって
さらりとはおり みをきよめ
ちっちゃな神社の はしとはし
つないでむすんで いんをきる
うかのみたまの じきでんの
あやかしふせぐ けっかいを
神社にかさねて ひろげてとじた
だ・・だから きょうことば(ふうみ)
かみさまあいてに そりゃないわ
だれかてんさく おねがいしますぅぅ




