1 こわいおばけが しまにきた
以前投稿したものが
短編童話なのに、読むのに小一時間かかるジャンル詐欺仕様だったため
こまかく小分けにした連載版になります。
ところどころに数行程度の加筆あり。
ちっちゃなちっちゃな 島にある
ちっちゃなちっちゃな ひがしの村の
どんぐりなる木にかこまれた
ちっちゃなちっちゃな 神社のおくの
これまたちっちゃな はいでんで
神様けんてい 受かったばかり
ちっちゃなちっちゃな 神様が
きょうもごえんを むすびます
◆
ちっちゃなちっちゃな 神様が
まだ神様では なかったころに
こわいおばけが 島にきた
ざんざぶざざんと なみにのり
きぎれいたきれ つかまって
海をわたって 島に来た
まっくろくろの かげおばけ
島のどうぶつ みなにげた
きのかげ はのした つちのなか
いちもくさんに にげだした
とくにげ はよにげ かくれよと
みんなあわてて にげだした
それでもちいさな どうぶつは
ぷるぷるふるえて うごけない
あしがすくんで うごけない
島のひがしの もりのなか
ひとりぼっちの ちっちゃな子
こわいおばけに いじめられ
なみだぽろぽろ こぼしてないた
「えーん えーん どうしよう
こわいよだれか たすけてよう」
「がははは ははは おいつめた
おれさま おまえ まるかじりー!」
こわいおばけに おそわれたのは
ちっちゃなちっちゃな りすの子でした
ひがしの村の ちんじゅのもりで
どんぐりみのる ちょっとまえ
おおきなあらしが やってきて
いつも子りすを 守ってた
つよくてやさしい かあさんを
とおくへとおくへ とばしてしまい
あわれりすの子 ひとりぼっち
おなかをすかせて ひとりぼっち
くろいおばけはどんぶらこ
きぎれ いたきれ ふねにして
うみをわたって きたばかり
いばりんぼうの かげおばけ
しまのどうぶつ おいかけて
ふるえるりすの子 おいつめた
「うまそうな ちび みつけたぞ
おれさま がぶがぶ たべちゃうぞ!」
おおきなおくちを かぱりとあけた
こわいおばけに にらまれて
ちっちゃなちっちゃな りすの子は
こわくてこわくて ぷるぷるぷる
しっぽがぶわっと なりました
なみだがぽろぽろ こぼれてきます
「ぼくまだうんと ちっちゃくて
たべるところが ぜんぜんないよ
たべてもぜったい おいしくないよ」
ふるえる子りすは たのみます
おねがいだから たべないで
おおきなおともだちへ
lppさまの「オカルトちゃんねる」という素敵な作品がありまして。
https://ncode.syosetu.com/n8125fg/
もともとこの作品は二次創作として書き始めたものです。
あるていど仕上がったころにlppさまにお伺いを立てたところ、
「二次創作は読者層を狭めてしまうので
オリジナルとして発表してはどうですか?」
とのありがたいアドバイスをいただきました。
オカchのキャラクターを出さずに
後半の登場人物を子供にしてみたのですが、
本作の基本的な背景は「オカルトちゃんねる」の「どんぐり編」にあります。
興味のある方はぜひ。