第二話『突きつけられる現実』
遅くなってしまいました。
大変申し訳ありません。
入学式翌日......
迅人は剣聖中学に行き、自分のクラス...つまりランクを見て、驚きが隠せないようだった。
「F...ランク.........嘘だ.........」
Fランクは、この世界での底辺である。
Fランクの生徒は、学校でも、この世界でも、
扱いは最低レベルだ......
迅人は入学式の時にいた審査員を見つけて、質問した。
「あの...俺のランクについて質問したい事があるのですが...」
審査員はこう言った。
「あぁ...君は確か黒金迅人君だね。
私はこの学校の武術担当をしている、山岡だ。」
山岡さんは、なぜ俺がFランクになっているのか、簡潔に説明してくれた。
理由としては、フォトンソード等、この世界にあるマナを使用して扱う剣が使えない事。
本当なら不合格だが、戦闘に関してかなり慣れている等
の点が評価されて、Fランクという事らしい。
「私が知っているのはこの位だね。
実の所私は、君は本来ならBランクでもおかしくない
実力を持っている。と思っている。
それだけは知っておいてくれ。」
俺は山岡さんの説明で納得することができた。
同時に、この世界の厳しさを感じた。
剣が使えなければ、価値は無いに等しいと。
「はい...山岡さん。ありがとうございます。」
俺はFランクの教室へと、足を運んだ。
教室に入ると、クラスにいる人達が俺を一斉にてきた。
「おはよう...ございます。」
俺は決して元気とは言えない挨拶をして、自分の席に座った。
「君、入学式の試験で、石像を蹴りで粉砕した子だよな?」
隣の席に座っていた男子が聞いてきた。
「あ、あぁ...そうだよ...
俺...黒金迅人...君は?」
「やっぱりそうか!
俺は鈴寺龍二!よろしくな!」
龍二は、俺に積極的に話かけてくる。
何だか友達が増えた気がして、嬉しかった。
「迅人、お前の強さなら、もっと上のランクのはずじゃないのか?」
「それは無いな、俺本当は不合格だったらしいから。」
周りにいた人達がざわつく。
「剣が使えないから、ダメらしい。」
「それ酷くないか?」
龍二は少し苛立った様な口調で話していた。
「俺はどのランクだろうと強くなってみせる。」
「迅人は強いな......すげーぜ...」
龍二は悲しそうだった。
「龍二...何でそんなに悲しそうなんだ?」
「俺は剣術が得意じゃなくてな......」
「なら...俺が教えてあげるよ。」
迅人はそう言った。
迅人はマナは使えないが、一応剣術は習っている。
「本当か!?」
龍二は驚いているようだった。
「あぁ...教える。」
しかし...龍二は何か迷っている様子だった。
「どうしたんだ?」
迅人はその様子を疑問に思い、そう聞いた。
返ってきた言葉は、予想外の言葉だった。
「Fランクなんかが、強くなってもいいのか?」
迅人は怒りを飲み込んで言った。
「強くなっちゃいけない人間なんていない。
俺がそれを証明するよ。」
Fクラスの生徒たちは、何かを決意したようだった。
その後、教室に先生が入ってきた。
迅人は目を見開いた。
その人は朝会った山岡さんだったからだ。
「はーい。全員席に着けー」
全員が席に着くと、山岡先生は話始めた。
「今日からFクラスを担当する、山岡だ。
武術担当もしているんだ。何でも聞いてきてほしい。
今日から宜しくな!」
山岡先生は最初はニコニコしていたが、すぐに真剣な表情に変わり、こう言った。
「お前らは、強くなる覚悟があるか?」
クラスのみんなが山岡先生を一斉に見た。
どうやら、みんなの決意は、まだ固まりきっていないようだった。
「Fランクなのに、強くなってもいいんですか...」
その質問をしたのは、龍二だった。
先生は、その質問に対してこう答えた。
「確かに、この世界でのFランクはこの世界での底辺だと
思っていいだろうね。だけど、Fランクが強くなっち
ゃいけないって、誰が決めたんだい?」
龍二は納得したようで、無言で頷いていた。
「君達はもう気がついていると思うが、このクラスには
本来ならFランクではない生徒がいるね?
そう、黒金迅人君だ。」
クラスのみんなは真剣に先生の話を聞いている。
龍二が先生に話した。
「確か、剣が使えないから...とか。」
先生は頷いて、話を続けた。
「あっているけど、違うんだ。
迅人君、話してもいいかい?」
きっと俺のマナについてだろう。
迅人は頷いた。
「別に構いません。」
先生は話を続けた。
「ありがとう。では簡単に話そう。
まず、迅人君は事情があってマナが使えない。
正確に言うと、マナが全く無いようなんだ。」
クラスのみんながざわつく。
龍二が驚きつつ、質問した。
「迅人は、マナが無いから、剣が使えないんですか?」
先生は答えた。
「詳しい話は、本人に話してもらうのが、一番早いだろ
う。迅人君、無理にとは言わないが、
話してくれないか?」
迅人は頷き、話し始めた。
「先生の言う通り、俺にマナは無い。
正確に言うと、誰かが、俺のマナを持っている。」
「そう言う事だ。みんな分かってくれたかな?」
俺の説明の後に、先生はみんなにそう伝えて。
教室から出ていった。
無事、1日を終えて、迅人は帰宅していた途中の事だった
「おいお前。黒金迅人だな?」
見るからに不審な格好をしている人に話しかけられた
迅人はとっさに身構えた。
「誰ですか?」
「わりぃが、教えられねぇな。
クロト様の命令でね?」
「何が目的なんだ...」
「マナの器を手に入れて来いとのことでね?
ん?誰だお前。」
迅人はその男が向いている方を見た。
そして、目を見開いた。
「龍二!きちゃダメだ!」
「迅人!前!」
迅人はとっさに前を見た。
男が殴りにかかってきた。
とっさに避けて、男を蹴るが。
その蹴りは、男の前で見えない障壁に阻まれた。
「マナが使えないお前は、何もできないんだよ!」
男は勝ち誇ったように避けると、迅人に回し蹴りをした。
迅人は腹に直撃してしまった。
「がはっ......」
そのまま飛ばされ、近くの木にぶつかった。
「迅人!大丈夫か!」
龍二がこっちに駆け寄ってくる。
「大丈夫......くっそ...マナがあれば...マナさえあれば。」
すると龍二はこう言ってきた。
「俺のマナを使え...分けてやる。」
龍二は俺の肩に手を置いて、目をつぶった。
その後、俺の体に、何かが流れ込んできた。
「何だ...これ。」
龍二は
「マナを分けてんだ。てか、お前元々どんだけマナあったんだよ......俺のマナ半分分けてまだ全然溜まってないって」
迅人は龍二に言った。
「龍二、ありがとう。とりあえず一撃は行ける。」
これ以上龍二からマナをもらうと、龍二が危ない.........
迅人は立ち上がって、構えた、すると、誰かが話しかけてきた。
(お主が、黒金迅人か、待っていたぞ。
時間が無いから、今から言う言葉を、そのまま繰り返せ)
迅人は聞こえてきた声を、そのまま繰り返した。
「装備......竜剣...『八重桜』...」
迅人の手に半透明の剣が現れた。
「お前、マナが無いはずじゃ...」
男は驚いている様だった。
迅人は一瞬で間合いを詰めて、その剣で男を斬った。
男は驚いたまま、その場に倒れて、霧の様に消えた。
迅人は、その後、無言でその場に倒れた。
迅人に聞こえたのは、
龍二が必死に呼びかけてくる声だけだった。
(さっきの力は...一体.........)
そのまま、迅人は意識を失った......
久しぶりの投稿でした。
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