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失恋
あーあ、やっちゃった。
そう言う先輩はその言葉とは裏腹にスッキリとした笑みを浮かべている。溌溂とした彼女らしい笑顔だ。相当鬱憤が溜まっていた様子。
まぁ、浮気するような男は先輩に合わないが。本当に何であんな男と付き合っていたのか。誰にでも間違いってあるよね。先輩には圧倒的に男を見る目が足りていないけど。
「スッキリしてる所、申し訳ないですが訴えられたら負けますよ」
流石に局部を蹴り上げて、倒れた所で何度も踏み付けた上にぐりぐりってしてたら庇いようも無いのだ。あの男だから不能になってたら、それはそれで世の為かもしれないけど。
「んー・・・どうしよっか」
まぁ、あんな理由話せないから大丈夫じゃない?
そりゃそうか・・・私は砂糖もミルクも入れていない真っ黒な液体を飲み干した。僅かに残っていた恋心は苦みと共に流れていく。