14/19
知らない人
ファンタジーなんですが要素が薄いです。
もう要らないわ。
そう思った彼女の中から、彼らは消えた。
「おい!」
突然掛けられた声に首を傾げる。何故、知らない人からそんな風に呼ばれなければならないのか。
「どちら様でしょうか?」
「は?何言ってるんだ、お前は」
不快げに言う相手にこちらも不快感を覚える。
「見ず知らずの方から先程の様に声を掛けられたら、余程奇特な人でない限り気分を害すると思いますが」
「え?」
相手の顔が硬直する。何故、そんな顔をするのだろう?
私は当たり前の事を言っている筈なのに。
「急いでおりますので失礼します」
さっさと無礼な相手から離れたくて足早にそこを去ろうとする。だが、腕を掴まれる。痛みに顔を顰めるが相手は気付かない。
「何を企んでいるんだ」
「何を仰っているのです?」
本当に何なのだ、この人は。思わず軽蔑を込めた目で見てしまう。
「っ」
相手の顔が歪んでも私には分からなかった。
続きの予定がありますが、少し先になりそうです。




