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日本軍異世界日記  作者: 若宮海人
8/14

大本営にて

それから里井と山本は食堂車で夕食を食べ、食後のコーヒーを飲んでいた。

 「ところで、里井君、君ともう一人この世界へ来た少年がいたが、今は何をしているのだ?」と山本に聞かれた里井はこう答えた。

 「えぇ、奴は、田辺は陸軍で特殊参謀をやってるそうです。」

 「そうか・・・もしかしたら会えるかもしれんな。」

 山本は、コーヒーを飲み終えると、車窓に目をやっていた。

 それから暫く二人は食堂車でコーヒーを飲んだり、デザートを食べ、時間を潰し、部屋に戻ると直ぐに眠りについた。

時刻は23:00を少し過ぎた辺りだった。

 翌朝、山本と里井は06:00に起き、食堂車で朝食をとった。メニューはサラダとパンとジャム、オレンジジュースといった洋風のものだった。

 それから部屋の荷物を片付けていたら、大日本帝国の首都東京へつこうとしていた。

 『皆様、長時間の御乗車有り難う御座いました。この列車はまもなく終点東京駅へ到着いたします。どなた様もお忘れもののございませんようご注意下さい。』と車掌のアナウンスが入った。

列車は定刻より10分遅い8時10分に東京駅に到着した。

そこからは海軍の車に乗って大本営へ向かった。大本営は海軍の軍令部、陸軍の参謀本部に別れており、海軍軍人の里井と山本は軍令部に呼び出されたのだ。

軍令部に着き、出頭命令を受けて来たのを受付のようなところで申告すると、

「軍令部総長がお待ちです。どうぞこちらへ」と超事務的な口調で受付係が案内してくれた。

彼はドアをノックし、「閣下、おみえになりました。」と受付係が中の人物へ言うと、

 「入りたまえ」と渋い声が促した。

里井と山本はその部屋へと入っていった。

そこにいた男は、海軍大臣嶋田繁太郎(しまだ しげたろう)大将と軍令部総長永野修身(ながの おさみ)大将が椅子に腰かけていた。

「遠いとこからすまないねぇ」と嶋田が言ったが、その言い方というのが、なかなかのウザさだった。

いえいえ、と山本が答えたが、少々イラついたご様子だ。

「今回君たちを呼び出したのは『アレ』についてだ。」『アレ』とは先日の南雲機動部隊の事件だろうと里井は思った。

それから、二人は嶋田が口にした次の言葉に一怒りを覚えた。

「『アレ』については海軍軍令部は発表をしない。つまりなかったこととする。」と山本と里井に告げた。

里井は理由を問いただそうとしたが、察して口にはしなかった。

 「用はそれだけだ。」と嶋田が短く言い、山本と里井に退出を促した。二人はこれに従い、大本営を後にした。

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