長官、南雲機動部隊が帰還しました!
それから8日後、南雲機動部隊は広島県の柱島泊地に入港した。
南雲は到着するとすぐに連合艦隊旗艦長門に設置されている連合艦隊司令部へ向かい、山本へ帰還の報告を行った。
「南雲忠一以下、機動部隊全艦帰還しました。」
「大変だったな。南雲君。」
「はい・・・あの艦には自分の後輩も乗っておりました。」
「そうか・・・」と山本はしみじみといった。
「・・・こちら報告書であります。」
と南雲は持っていた書類を手渡した。
これを暫く読んでいた山本は、「ほう・・・」と呟き、「南雲君、報告ありがとう。機動部隊の乗組員は暫く休むよう伝えてくれ。」と南雲に伝えると
南雲は敬礼して「失礼します」といって司令部を後にした。
山本は、南雲を見送ると、従兵を呼び、「里井大佐を読んでくれ。」と告げた。
従兵が呼びに行こうとするとドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」と山本が答えると、その人物は山本が、今呼ぼうとしている人物だった。
「長官、聞きましたよ。空母機動部隊が攻撃されたそうですね。」と開口一番彼はそう言った。そして・・・
「・・・歴史が変わってしまいましたね。この先は私にも予想がつきません。ただ一つ言えることは日米開戦は、ある意味回避できたと言えるでしょう。」
「はは、そうだな。・・・」
南雲機動部隊が何者かに攻撃された。しかし日米開戦はある意味回避できた。
山本はこの先の不安と安堵の混じった表情であった。
「ところで里井君、未来人の君から見てこの事態をどう思う?」と山本は問いかけた。
「そうですねぇ・・・」と里井大佐は暫く考え、「これまたおかしな話ですが、」と前置きを置き、
「その攻撃は違う次元の生物によって行われたものだと考えられます。」
と山本に告げると、
「面白い。その、違う次元というのはどこだね?」と山本は興味津々であった。