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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
三章
88/144

分断




「オーガスタス!!!」

横で加勢していた、ランドルフが叫ぶ。

岩がぐら…と揺れ、手から離れ行くのに、オーガスタスは必死で止めようと腕伸ばす。


ローフィスは背後、オーガスタスに髪振って振り向き、叫ぶ。

「いいからそのまま落とせ…!

ヘタに戻そうとするとお前の腕が!

イカれる!!!」


ローフィスはそのまま、その高い場所から一気に滑り降りて行く。


ローフィスが崖下、今から岩が落ちようとする場所へと飛び降りて行く姿を見、オーガスタスは目を見開きながらも必死で、岩を戻そうと支える。


がローフィスの姿が崖下へ消え、見えなくなった時、とうとう巨大な岩はオーガスタスの腕を離れ、崖を轟音立てて、滑り落ちて行く。


「ローフィス!!!」


オーガスタスが崖ぎりぎりに歩を踏み出し、下を見て叫ぶ。

ローフィスが素早く道塞ぐ、岩を駆け上り、敵側へと飛び降りた瞬間。


ど・おおおおぉぉぉん!!!


直後巨大な岩が、道塞いでた岩の上へと、土煙上げながら轟音立て、ぶつかり落ちた。


もうもうと土煙上げ、見上げる程巨大な岩で塞がれた通路。


オーガスタスは敵側の岩場を必死に見つめ、叫ぶ。


「無事か?!!!!」


大声で叫ぶオーガスタスに、敵側に滑り込んだローフィスが、土煙に咽せながらも身を起こし、崖上のオーガスタスを、見上げる。


オーガスタスはその姿を見、ほっ…と全身の、緊張を緩めた。


オーガスタスが高いその位置から、敵側に残る、ディングレー、ギュンター、ディンダーデンと合流する、ローフィスに叫ぶ。


「どうする気だ?!」


ローフィスは振り向き、高い崖上に居る友に叫ぶ。

「俺の隊を頼む…!

先に近衛宿舎に俺が戻っても、恨むなよ…!!!」


ランドルフはオーガスタスの横に並ぶと、敵側の崖を駆け降りるローフィスを見下ろし、囁く。

「全部塞いで、戻る道は無いんだろう?!」


オーガスタスはその場から、ディングレーが右からローフィスの方へと走り寄り、ギュンターもが岩場の間を左右に迂回しながら、ローフィスの元へと走り行く姿見つめ、唸る。


「あいつ…崖中の抜け道を幾つも、知ってるからな…」


オーガスタスは、言って加勢に来たランドルフに振り向く。

「但し、迷ったら最後の、壮絶な地下道だが」


ランドルフはぞっ…として、小声で囁く。

「あっちに居なくて、心から良かったと思う」


オーガスタスも大きく頷き、言った。

「全く、同感だ」



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