戦うオーガスタス
オーガスタスは崖を、馬を駆って駆け上りながら、リーラスらがいる上方を見上げる。
味方が大勢、襲い来る敵と刃を交えていた。
馬に拍車入れて一気に駆け上がり、馬から飛び降りて剣を鞘から抜き様、味方と剣を交える敵へと斬り込む。
ずばっ!
思い切り剣を振り切って、一刀で斬って捨て、横を見る。
その比較的なだらかな岩場の端で、落ちた大きな岩を必死でどかしながら、下敷きになった騎士を、味方の男達が助け出そうとしていた。
が、助け手の背にも、敵は襲いかかる。
オーガスタスは突っ込んで行くと、助け手に斬り込む、敵を剣を振り、激しい一撃で斬り殺す。
ざっっっ!
「ぅぎゃっ!」
リーラスが敵二人を相手取って、岩の下敷きに成った味方を救助してる者らを、必死で庇って剣を振っていた。
が、横をすり抜けて行く敵を防げず、歯噛みした、その時だった。
オーガスタスが赤い髪を振り、敵騎士を次々に斬って捨てる姿が目に映り、歓喜に瞳が潤むのを、自覚する。
平らな巨大な岩の端の、敵側の細い道から、続々と登り来る敵騎士らは、オーガスタスが豪快に剣振りきり、味方が次々と一刀の元、斬り捨てられるのを見て、慌てる。
「あいつを殺れ!!!」
リーラスはオーガスタス目がけ、次々に敵が駆け寄るのを見た。
自分を相手取っていた二人の内、一人もが背を向け、オーガスタスに向かう。
だがオーガスタスは、右から剣振り被る敵を蹴り飛ばし、斜め前から来る敵に一瞬で剣を突き刺し、豪快に血飛沫上げながら引き抜くと、弧を描き剣を高く持ち上げ、正面の敵を斜め上から、一気に切り裂く。
ざっっっ!!!
「ぅ…ぎゃっ!!!」
一瞬で剣を引くと、蹴られた敵が起き上がろうとする、その場に駆け寄り、上から突き刺す。
ぐさっ!!!
「う…ぐっ!」
剣引き抜き様、背後に付く敵を回し蹴り、その長い足の蹴りをなんとかやり過ごし、体勢崩した敵を、体を捻り一気に剣で薙ぎ払う。
「ぎゃっ!」
蹴った足を地に付け、振り切った血の滴る剣を下げ、立つオーガスタスの、赤い髪が風に靡く。
一瞬で四人が屍となって周囲に転がり、オーガスタスが剣持ち直し、向かって行くと、敵が背を向け逃げ出した。




