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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
二章
44/144

左将軍ディアヴォロスの約束 4




 ギュンターは左将軍が、通常の道を外れ岩の上を駆けて行く、後を必死で追う。

でこぼこした足場の悪い、かなり急な岩場。

苦も無く馬を駆って駆け上がるディアヴォロスの後を、歯を食い縛り馬に拍車入れ、必死でついて行った。


やがて岩だらけの上方の、その下に少し広い岩場を見つける。

オーガスタスが赤く燃えるような髪を振り、剣を振り切っていて、敵が血飛沫上げて仰け反るのが見えた。


だがオーガスタスらのいる場所に続く、左側の崖上から。

斜めに下って行く細い岩道に、かなりの数の敵騎士らが、一列で蛇行しながら押し寄せて来ていた…。


ギュンターはディアヴォロスが馬から駆け下りるのを目に、続き馬から飛び下りる。

背後、ディアヴォロスの直属配下の騎士らも同様馬から降りると、あるじに続く。


一瞬、震えるような指令が、ギュンターの頭の中に響く。

“こちらは引き受ける。

オーガスタスを護れ"


ギュンターは左へと駆け去る、ディアヴォロスと随行騎士らから離れ、真っ直ぐ岩を駆け登って、オーガスタスの元を目指す。


ディアヴォロスは崖を降り来る敵の先頭の、その前に。

岩を飛び越え躍り出ると、剣を抜き様突っ込んで行く。


ギュンターが目前の岩を駆け登り、オーガスタスの居る、少し広い一枚岩の上に飛び降りる。

剣を抜き、戦うオーガスタスの、背を狙う敵に突っ込んで行った。


ざしっ!!!


背を切りつけ、振り向いたその胸に、剣を振り切る。


ざっっっ!!!

「うぎゃっ!」

カラン!


敵は剣を落として崩れ落ちた。


ざっ!

剣振る音に、右側に視線を振る。

ローフィス、ディングレーが、襲い来る20名ほどの敵を最前で食い止め、その背後に他のローフィス隊の騎士らが、二人を助けようと決死の表情で剣を振っていた。


一人のローフィス隊騎士が、助っ人が来たのを目にし、大声で叫ぶ。

「こっちからは、これ以上は来ない!!!」


視線を送ると、右のその奥、細い道は大岩で塞がれ、退路を断たれた敵は、左側から合流してくる味方を待ちながら、一人でも倒そうと遮二無二襲いかかってきていた。


ギュンターは頷き様横から剣を振られて急襲され、瞬時に屈んで避けながら、相手の懐に飛び込み様、腹に剣を突き入れた。

ずっっっ!!!

「ぎゃっ!」


敵が膝を折って岩場に崩れ落ちるのを目にし、ギュンターは肩が上下するほど上がる息を、必死に整える。


オーガスタスの隙を覗う敵剣士が、背後に居るギュンターに気づき、振り向く。

ギュンターは咄嗟剣を振り上げ、振り切って敵を薙ぎ倒し、その向こうのオーガスタスを伺い見る。


オーガスタスを取り囲む敵が、五人に減る。

が、皆相手を大物…と警戒し、じり…と間を開け、オーガスタスの隙を狙い澄ましていた。


視線をチラ…と左側に向ける。

ディアヴォロスが斜め上の細い岩道を、素早く剣を振って敵を切り裂きながら、駆け上がる姿が見えた。

もう三人が斬られ、細い崖道から、転がり落ちて行く。


直属騎士の二名ほどは、横の岩に駆け登り、ディアヴォロスが進むその先へと回り込む。

岩の上から進み来る敵に、上から剣を浴びせて注意を引き、ディアヴォロスの進撃を助けていた。



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