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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
二章
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左将軍ディアヴォロスの約束 3




 馬車が走り出すと、姉妹らは椅子の背もたれに背をもたれさせ、皆吐息を吐き出しながらたった今見た、素晴らしい騎士らを思い浮かべた。


「近衛…って…皆さん、素晴らしい男性ばかりなのね…!」

エレイスが、溜息交じりに囁くと、マディアンも。


「左将軍って…私初めてお目にかかったけれど…」

マディアンの言葉に、ラロッタが異論を唱える。

「誰もが、初めてだわ…!」


けれどその後、けぶるような気品に包まれた、高貴な美男の顔を思い返し、全員が溜息を吐き出した。


「…オーガスタス様…って…あんなお方に仕えていらっしゃるのね…!」

アンローラが感嘆するように告げる。


けれどマディアンは囁いた。

「部下をご自分で助けにいかれるなんて…。

オーガスタス様もローフィス様も、素晴らしい方にお仕えしているんだわ…!」


マディアンの言葉に、今迄不安で仕方なかったエレイスやアンローラ、アンリース迄もが、顔を上げた。


不安が、綺麗に消え去っている事に気づいて。


「…ギュンター様まで出かけたというのに、もうちっとも不安じゃないわ?!」

エレイスが叫ぶと、アンローラも言った。

「私も。

全然…大丈夫な気がしてきたわ…!」


アンリース迄もが、横で幾度も頷く。


そして姉妹らは自宅に戻る岐路、頭に浮かび続ける、高貴な左将軍を思い描きながら、馬車は自宅の門を潜り…。

やはり素晴らしく洗練された仕草の、長身で美男の栗毛の騎士に家に入る迄見送られ、玄関に入るなり長女マディアンが振り返り、近衛騎士に

「お茶を…」

と告げても

「まだ、隊務がありますから」

と彼は感じ良く微笑み、さっ!と背を向けるその格好良さに、淑女達は見惚れ続けた。


彼の姿勢良く伸ばした、遠ざかる背を見送り、呆けながら一人が囁く。

「あの方、瞳がグリンだったわ…」

「左将軍にお仕えする騎士…って、ギュンター様だけで無く、大層素敵な美男ばかりなのかしら…」


やがて母が、大慌てでやって来て叫ぶ。

「もう、帰って来たの?!

それでローフィス様やオーガスタス様は…?!」


そう聞かれても、圧倒される素晴らしく格好いい美男達を見た娘達は、皆呆けていて、暫く返事を返す者は、誰もいなかった。




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