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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
二章
34/144

庭園 4



 ラロッタがテーブルに肘を付き、両手で頬を挟んで

「オーガスタス様の笑顔。って、とっても素敵…」

と言い、アンローラとエレイスに囲まれたギュンターが、ぼそり。と呟く。


「あいつにああ笑われると、大抵の女はオチる」


ラロッタもアンリースも気づき、母も言った。

「あら…!

大抵の女は貴方しか、視界に入らないんじゃ無くて?」


ギュンターは母親の言葉に気づき、顔を向けると、ぼそり。と言った。


「俺の顔は毎日見てればその内、見慣れる。

けどあんな笑顔は早々、見慣れないだろう?」


マディアンは彼の意見に賛成だったが、他の皆は反論した。

「貴方のような美男は早々、見慣れないわ!」

「そうよ!」

「毎日見られたら、天国だわ!」


マディアンがそっ…と、オーガスタスに囁く。

「昨日の、逆ね?

彼、貴方に男としてコンプレックス持っていらっしゃるの?」


オーガスタスはそっ…と、彼女へ顔を傾けた。


「あの男は顔同様軟弱だと見られるのを、極端(きょくたん)に嫌がっていて…昔は背だけは高かったが、かなり()せていたから…」


マディアンは、ギュンターを見た。

肩も胸もとても(たくま)しく見えた。

「貴方程では無いけれど、とっても立派な体格の方だと思うわ」

「彼は努力してそれを手に入れた」


マディアンは、オーガスタスを見た。

「貴方は…努力されなかったの?」

オーガスタスは苦笑する。


「この体格だと、猛者らに標的と見られ、いつも(いど)みかかられてるから、努力しなくても筋肉が付く」


言って、まだマディアンが見ているので、付け足した。

「ギュンターは、自分を猛者と認めさせる為、周囲に(みずか)喧嘩(けんか)を売った」


マディアンはとても大柄で大らかな笑顔の、オーガスタスを見つめた。

「ギュンター様はきっと…自分から喧嘩を売らなくても誰からも猛者(もさ)と認められる、貴方が(うらや)ましいのね?」


オーガスタスは彼女に優しく微笑むと

「本人が目の前に居る」

と促す。


ギュンターは気づくと

「俺だけ特別じゃ無い。

大抵の男は男として、普通にオーガスタスに、コンプレックス持つぞ?」

と言って、アンローラとエレイスをぎょっ!とさせた。


だがギュンターはオーガスタスに顎をしゃくる。

「奴に聞いてみろ。

俺のような(つら)になりたいか。って」


マディアンが見てると、オーガスタスは『真っ平だ』と言うように、目を、堅く閉じて返答に代えた。



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