右将軍アルファロイスに引き継ぐオーガスタス
オーガスタスは東領地ギルムダーゼンの崖上の駐留地から、右将軍アルファロイスが近衛の三大勢力、ムストレス派の准将、ノルンディルをも引き連れ、上がって来るのを見つめた。
「援軍だ!」
一声背後に叫ぶと、くたびれ果てた配下騎士らは、ぱっ!と顔を、輝かせた。
今や、鉄槌の音は鳴り続け、工員らは道を着々と作り続け、幾本もの伸びた道に皆が手分けして石を落とすものの、下からは無数に矢が飛んで来て、怪我人が続出していた。
右将軍は大軍率いて登り来る。
出迎える左将軍補佐、オーガスタスのシャツは破れ、傷と土に汚れた姿を微笑んで見つめ、馬上から告げる。
「隊を率いて直ぐ、山を下り、後は我々に任せろ」
オーガスタスは頷くと、背後、リーラスに首振って叫ぶ。
「全員を降ろせ!
直ぐ、ディアヴォロスに報告を入れろ!」
リーラスが、振り向くと怒鳴り付ける。
「どうしてお前が、報告しない!!!」
オーガスタスが、即答する。
「引き継ぎが、残ってる!」
が、右将軍アルファロイスは囁く。
「君の他に、まだくたびれてない事情に詳しい者は、居ないのか?」
「俺が残ります!」
群れる騎士の中で、比較的元気で汚れてない騎士がそう、告げる。
が、オーガスタスは右将軍に告げる。
「見届けるまで。
帰れません」
右将軍は、くたびれきった格好の…けれど気概籠もる黄金の瞳を見つめ返し、頷く。
「では直ぐ。
案内してくれ」
オーガスタスは目を、見開く。
「着いた、ばかりなのに?」
アルファロイスは言った。
「君が疲れているなら、先に延ばす」
オーガスタスは囁く。
「俺は平気だ」
「では、今直ぐ」




