喧嘩の仲裁もする、右将軍アルファロイス
「ローフィスが怪我を負えば、例え貴様が隊長でも処分を言い渡すぞ!」
ディングレーの威厳ある声に、けれどその、体の大きな男は笑うだけ。
「王族の命か?
だがそれで俺が処分出来るか?」
マディアンが顔を上げると、相手の男は体もオーガスタスくらい大きく、そして髪も…オーガスタスより少し明るい、赤毛…。
けれどその上に乗った顔は、どことなく下卑て見えた。
マディアンはつい、ディングレーよりも大きなその男が、のしかかるようにディングレーに近づくのを、オロオロして見つめた。
ラロッタが、はっ!とする。
きつさ丸出しの視線で相手を睨め付け、ディングレーが凄まじい声で吠えたから。
「なら、やるか?!
喧嘩なら買ってやる!!!」
咄嗟、両足広げ、拳握り込むディングレーは凄まじい迫力。
相手の男もケダモノのような瞳を向け、上背から拳振り上げる。
「それを相手に放ったら、私が二人共殴り倒す」
背後からの一喝する声に、ローフィスも顔を上げたが、マディアンもラロッタもが振り返る。
金髪。
ディングレーよりは背が高いが、赤毛の大男よりは低い。
けれど整いきった高貴な顔立ちで、彼が一目で「右の王家」、金髪の王族の男だと分かる。
「…右将軍…」
赤毛の大男の呟きに、マディアンもラロッタも目を見開き、ディングレーは拳を震わせながらも下げ、ローフィスも…背後、ギュンターもが、頭を垂れていた。




