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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
三章
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エリングレンに口止めする為、後を追う一行


「では私、まだ帰れませんわ!

エリングレンに会わないと…!」


ローフィス始め、ギュンター、ディングレーが目を、見開いてマディアンを凝視した。



動き出す馬車の中で、騎乗したディングレーを見つめ、ラロッタが溜息吐いた。

「見てる分には、ディングレー様って凄く、格好いいのにねぇ…」


マディアンは確かに颯爽と背筋を伸ばし、気品があり、一目で高価だと分かる、艶々した黒馬に跨がる、格好いいディングレーの乗馬姿を見つめ、苦笑した。


ラロッタはけれどマディアンに振り向く。

「ローフィス様も!

我が家に訪れていらした時には、とても軟弱に見えるのに!

二人に命令してる姿は、本当に格好いいわ!」


マディアンは、にっこり微笑むと、同意の頷きをラロッタに返した。





 結果、馬車と一行は来た道を戻り、門に一番近い、一般宿舎の厩前で、止まった。


ラロッタとマディアンが皆を三階にある、エリングレンの部屋に案内する。

けれど…エリングレンは不在。


召使いが

「講堂で、右将軍配下招集がかかっていて、現在そちらに…」

と告げた。




 一行が、一般宿舎の横幅のやたら広い続き廊下を抜けた、その後ろの建物。

講堂へと足を運ぶと、前からぞろぞろと騎士らが、出て来る。


ローフィスはすかさずマディアンの前に出て、彼女を体のデカい男らから護る。


が、どんっ!とぶつかる、一際体の大きな男に思い切り肩にブチ当たられ、ローフィスが眉間寄せて身を前に屈める。


咄嗟マディアンが、自分を庇ってくれたローフィスの、背を支えて心配げに覗き込む。


ラロッタが振り向くと、ギュンターが怒って肩迫り出し、が、ディングレーがギュンターの肩を掴んで押し止め、ずい。

と、前へ出る。


身を屈めるローフィスと横で支えるマディアンを、ディングレーは庇い立ち、目前のデカい男を、真っ直ぐ睨め付ける。


「(あの…目だわ!)」

ラロッタは思った。

獣を思わせる、激しい青の射るような瞳。



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