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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
三章
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動じないディングレー




 マディアンが囁く。

「良ければそちらのお部屋でお話させて頂ける?

実は私も…こんな豪華な室内だと、落ち着かなくて」


ディングレーもギュンターも、そしてラロッタもが、ローフィスが心からの温かい微笑みを、マディアンに向けるのを見た。


ローフィスが椅子を立つと、マディアンもが同時に立ち上がる。


が、ディングレーは頬杖ついたまま、ぼそり…。

と告げる。


「オーガスタスの左将軍補佐官邸も、かなり豪華だぞ?」


ローフィスの背に続こうとしたマディアンが、目を見開く。

ラロッタはまだ座っていて、黒髪王族のその男に、尋ねる。

「こんなに、金綺羅してるの?」


ローフィスはディングレーに振り向くと、怒鳴る。

「ここよりもっと重厚で、落ち着いてる!」

言って、マディアンへと振り向く。

「豪華じゃ無い。

とは言わない」


マディアンはその気遣いに、笑顔で頷いた。


ギュンターが直ぐ、マディアンの背後に続き、ラロッタも椅子を立つ。

ラロッタがギュンターの後ろに続こうとすると、ディングレーが横に来るので彼を見上げ、呟いた。

「…一緒に、来るのね?」


ディングレーは威厳滲ませながら、ぼそり。と言った。

「何かマズいのか?」


ギュンターは振り向くと、ラロッタに説明する。

「ディングレーはローフィスの、手の焼ける弟分で、ディングレーは兄のようなローフィスが大好きなんだ」


ラロッタはそれを聞いて、思わず横の、ディングレーを見る。

ローフィスよりもうんと頑健な肩をし、逞しくて立派に見えた。


「隙あらば、ローフィス様に迫ろうとかしてる?」


マディアンが見てると、前歩くローフィスはそのラロッタの言葉に、がくっ!と首落としてた。


ディングレーは表情を変えない。

「あいつとの間に、色っぽい事は何も無いぞ?

ギュンターの言ったこと、聞いてなかったのか?」


ラロッタは肩竦め、威厳の固まりの、近寄り難い存在感の、王族の男が並んで横を歩く姿を、チラチラと伺った。



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