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赤い獅子と芍薬の花 オーガスタスとマディアン  作者: 心響 (しのん)『滅多に書かない男女恋愛物なろう用ペンネーム』天野音色
三章
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星空の下、オーガスタスの誓い

 


「オーガスタス!!!」

リーラスが、叱咤する勢いで怒鳴り付けても、オーガスタスは馬を促した。


周囲はすっかり暮れ、所々に松明が掲げられ、その頼りない炎を揺らしている。


左肩はずきずきと痛んだ。

だが奴隷時代からずっと、痛みと共に在ったから、分かった。

肩の骨は、折れていた。

細かいヒビくらいも、在るだろう…。


だが駐屯地の医療師に添え木をされていたから…馬が派手に揺れると痛む程度。


「オーガスタス!!!」

後ろから付いてくる、リーラスが怒鳴る。


横に並ぶと、怒鳴り付ける。

「西の尾根は俺が見回る!!!

ちゃんと報告もお前に入れる!!!

だから休め!

解ってるのか?

今ここの皆は、お前が頼りだ!

万一お前が倒れたら…!!!」


オーガスタスは髪に顔隠し、俯いていたが、リーラスに顔向ける。


「俺は大丈夫だ」


その笑顔に、リーラスは言葉を失う。

「…解った!

だが俺はずっと、お前に付いてるからな…!!!」

が、オーガスタスは俯くと告げる。


「お前こそ休んどけ。

ずっとここに駐留し、休み無しだろう?」


リーラスは、ぷんぷん怒って言った。

「俺だって、平気だ!!!」

「痩せ我慢だな」

オーガスタスの言葉に、リーラスは髪振って振り向き、怒鳴り付けた。

「それはお前もだ!!!」



オーガスタスは星空を見上げる。

そして近衛宿舎を出る時偶然出会った、マディアンを思い浮かべる。


優しい彼女の手が…傷に触れ…哀しげな表情で…。

けどきっと、手当てをしてくれて、そして…。

労るような柔らかな笑みを向けてくれる。


きっと…。


オーガスタスは感じた。

いつもどれだけでも痛んだ時と違い…マディアンを思い浮かべると心が、温かくなる。


とても温かくて…痛みが軽く、遠くなっていた。


こんな…事は初めてだった。


オーガスタスは夜通し…塞いだ道を全部、見回った。


どんな小さな…細い道ですら全部。


アースルーリンドの民を…マディアンを、護る為に敵の侵攻を、決して許さないと、心に誓いながら。




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