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黒宮 憂衣
一人のマジシャンは考える。この、チンケな世界も悪くはないな、と。
この世界だからこそ、この今がある、という事を考えると、もっと世界に感謝すべきではないのか。女子高生の「まじで暇」という言葉を聞いて、所詮人は馬鹿の集まりだな、と感じる中学三年生のそいつは、驚くほど大人な奴だった。
朝は小鳥がさえずり、昼は太陽を浴びて、夜は一日を思い返す。平和で平凡な毎日。だが、それでいい。今は、国が平和主義を徹底してくれさえすれば、満足だ。
しかし、そんなマジシャンは、野次馬の中にたびたび現れるのであった。
プレイヤー2
黒宮 憂衣【こくみや ゆうい】