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「もう学校行くの嫌だ!」
清司は毎日のいじめに耐えられなくなり、騒ぎ出した。
「嫌だ嫌だ!もう学校に行きたくない!バカとかデブとかいわれたくない!」
それを聞いて、叔母は困った顔をした。
「何いってるの。ちゃんと学校に行かないと、お父さんみたいに外科医になれないよ」
「でもいじめられたくない」
「……でもね……、清司くん」
「叔母さんは僕がバカとかデブとかいわれてるの、かわいそうだと思わないの?僕が傷ついてもいいんだね」
「そんなこといってるんじゃないの。かわいそうだと思ってる。でもちゃんと学校に行かなくちゃだめよ。清司くん、お父さんみたいになりたいんでしょう?」
そして2人はがっくりと項垂れた。
もうこれが五日続いている。
何がかわいそうだと思わないの?だ、と栄一は呆れながら見ていた。
叔母ももっと叱ればいいのに、と思っていた。
「栄一くんは僕の味方だよね!?」
毎日清司は栄一にいった。
「僕が傷つけられてるの見て、同情してくれてるんでしょ?」
はあ、と栄一はため息をついた。
「うるさいな」
これは清司に向けていった言葉だった。
「だよね。みんなうるさい。僕の悪口ばっかりいって、うるさいよね」
清司は低い声でいった。
面倒くさくなって、栄一はその場から離れた。
栄一と清司は二年生になった。
ありがたいことに、次は清司と同じクラスにならなかった。
しかしクラスは隣だった。
始めは少人数の男子グループだけが清司をいじめていたが、いまではクラス全員が清司をいじめていた。
清司をバカにする声が毎日聞こえてくる。
やはりこの中学はレベルが低かった。
生徒たちは授業中におしゃべりしたり、ゲームで遊んでいる。
教師は見てみぬふりだ。
だから清司がいじめられていてもそのままだった。
教室に入るとすぐに「あっ!来たぞ!」という声が聞こえた。
そして周りが騒ぎ出した。
クラスメイト全員が清司を見ている。
顔を隠すようにしている清司を見て、栄一も気分が悪くなった。
しかしある事件が起きて、クラスメイトたちの話題が変わった。




