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栄一に似た人物を探し始めて、もう何日経っただろうか。

待てども待てども、その人物は現れない。

また今日も……という虚しい思いと、痛む左足が増加していくだけだった。

清司はあきらめようかと考えていた。

ずっと待っていても現れない。そして無駄に足を痛める。そんなことを繰り返して、何か意味があるのだろうか。

さらに清司は、もし栄一だったらどうしようと迷っていた。

どういう顔で、どんな言葉を発せばいいのだろうか。

逆に栄一ではなかったら、どうして話しかけてきたのかと訊かれてしまう。もしかしたら怪しい人物として警察を呼ぶかもしれない。そんなことになったら死んだも同然だ。

怖いという気持ちが、清司の心を覆った。

足の痛みも増していく。少し歩いただけで、すぐにしゃがみこんでしまう。これ以上足を動かしたくなかった。

真っ暗闇の公園のベンチで、痛む足を抱え、清司は泣いた。止められることなどできなかった。

もうどうすることもできない。自分は独りきりなのだ。栄一にも会えない。家族は死んでしまった。帰る場所もない。金もない。

だがこうなってしまったのは、誰でもない、自分なのだ。自分がもっと成長しようと努力をして、立派な大人になれるように頑張れば、こんな目には合わなかったはずだ。

誰かが一緒にいてくれないと何もできない。昔、栄一に情けない男だといわれたが、その通りだった。

そして結局自分は栄一に負けてしまった。

清司はもう待つことをやめた。栄一のことを思い出さないと決めた。


残り少ない人生を、できるだけ楽しむことだけを考えた。

清司が、いま一番幸せを感じる場所は、あの喫茶店だった。

入り口に出されているメニューの看板を見て、小さい頃のことを思い出す。そんな日々を過ごした。

清司は、幼い頃に母に読んでもらった「マッチ売りの少女」のようだと思った。燃えかすを持ち、幸せそうな少女の顔が頭の中に浮かんだ。


そういう生活を送っていたある日のことだった。清司の頭の中から栄一という人間が消えかけていた時だ。

いつものように喫茶店に行った清司は、何となく店内の中を見た。

その瞬間、まるで雷が落ちてきたように、清司の体が震えた。

栄一がいたのだ。お茶を飲み、雑誌を読んでいた。清司は思わず口を両手で塞いだ。叫びそうになった。

本当に栄一はいたのだ。やはりあの人物は栄一だったのだ。

店の壁に隠れ、清司は栄一をじっと見つめた。

自分を知っている人物がまだいたのだ。

まだ自分は、本当に、誰とも繋がっていない人間ではなかった。

清司の目から涙が溢れてきた。どうして溢れてきたのか、清司にもわからなかった。



















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