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そんな日々が過ぎ、栄一と清司は小学校を卒業した。

栄一と清司は清司の叔母の家に引っ越すことになった。

近くに中学校がなかったからだ。

清司のご機嫌取りをしていた生徒たちはがっくりとしていた。


清司の叔母は大きな屋敷に一人でひっそりと暮らしていた。

清司によるとまだ五十四歳なのだが、もう七十代のような顔をしていた。

屋敷には高そうな骨董品や綺麗な織物などがあったが、住んでるのがこの人じゃ、全く意味がないと栄一は思った。

「今日からよろしくお願いします」

清司が頭を下げると叔母は嬉しくて泣き出した。

「もう寂しい思いをしたくない。ずっとずっと一緒にいてね」

何度もくり返しいった。

この叔母は子どもが出来ずさらに夫も事故で亡くしたらしい。

栄一も「お世話になります」と一応いっておいた。



中学は徒歩二十分くらいで着く場所にあった。

どう見ても低レベルな学校で栄一は暗くなった。

こんな学校で中学時代を過ごすのかと思った。

その隣で清司はまたしても「たくさん友だちできるといいな」と子どものようなことをいっている。

また違うクラスになることを祈った。


しかし栄一と清司は同じクラスになってしまった。


「やった。これから一緒にいられるね」

清司はにっこりと笑った。

栄一は何もいわず、長いため息をついた。

思っていた通り、清司は毎日栄一に話しかけた。

席替えは必ず栄一の隣。

栄一から離れようとしない。

「僕と栄一くんは大親友なんだ」

清司がクラスメイトにいっているのを見て、栄一は暗くなった。


そのストレスを解消するために、栄一は毎日勉強をした。

清司は遊んでばかりで、成績はかなり悪かった。


その中学はテストをする度に成績表を廊下の掲示板に貼った。

栄一は毎回一位になった。

「目立ちたくない」と思っていたが、栄一は有名人になってしまった。

「杉尾ってすごいな」

名前もクラスも知らない男子からよく褒められた。

もちろん清司からも「さすが栄一くん!」としつこく何度もいわれた。

栄一はそっとしておいてほしかった。


しかし成績表は栄一の気持ちをわかってくれなかった。



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