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二週間後のテストで、栄一は結基にいわれたように名前だけ書いて出した。

テストには笑っている結基の顔が書いてあった。


栄一は結基にいった言葉を思い出した。

お前たちだって親がいなくなったら養子になるんだぞ。

それにお前たちは親の七光りだけで生きてる。

何もしてない。

毎日毎日おいしいご飯を食べ、友だちと遊んで、のうのうと生きている。

それはなぜか?親がいるからだ。

もし親がいなくなったら、お前たちは生きていけないだろう。

全て親にやってもらっていたからだ。

赤ん坊と同じだ。

けれど栄一はがんばってきた。

『死ぬほど』がんばってきた。

『がんばる』と口でいうのは簡単だ。でも実際にやるのはかなり難しい。

栄一は、誰にも頼らず、たった一人でがむしゃらに生きてきた。

いつか親がいなくなった時、何もできないおまえたちは、絶対に苦しむだろう。


テストが終わり、3日後に栄一は職員室に呼び出された。

「どうして白紙なんですか?」担任は少し怒ったようにいった。

栄一が黙っていると担任はだめな生徒だな、といった顔をして栄一を帰した。


テストは毎回白紙で出した。

結基はにやにやと栄一を見た。

成績表は結基は一番上に上がり、栄一は最下位に落ちた。

そのうちになぜか栄一は『カンニングしていたからじゃないのか』という噂が立ち、栄一はカンニング男という名前で呼ばれるようになった。


栄一が憎んだのは清司だ。

周りで手拍子している馬鹿な奴らは気にしない。

結基も清司に教えてもらわなければ、栄一のことを知らなかったはずだ。

あの男が余計なことをいったから、こんなことになってしまったのだ。

いつの間にか清司いじめは消え去り、栄一いじめが始まった。

要するに、清司は栄一のおかげでいじめられなくなったのだ。

しかも清司はこんなことをいってきた。

「栄一くん、カンニングなんてしちゃだめだよ」

信じられなかった。

自分のせいで栄一がこんな目に遭ったということに気付いていない。

栄一の体の中が冷たくなった。


この時初めて、清司をこの世から消したいと思った。









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