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「じゃあ、行ってくるね。お父さん」

玄関の前に立ち、娘の真衣まいがにっこりと微笑んだ。だが、やはり少し緊張しているように見えた。

「行ってらっしゃい。早く友だちができるといいな」

清司せいじもにっこりと微笑んで、軽く右手を挙げた。


今日から真衣は小学生になる。

さなぎの次期が終わり

新しい空へ飛び出すのだ。


きっと彼女の胸の中は期待と不安でいっぱいだろう。

自分もそうだった。

いったいこれから何が起きるのか、あの時は全くわからなかった。


『あいつ』はどうだっただろう。

あの鋭い目つき、大人っぽい態度、そしていつまでも生き続けてやるという強い信念……とても七歳の少年には見えなかった。

三十年以上経っているというのに、未だに『あいつ』が何者なのか、よくわからない。

『あいつ』の『殻』はなんだったのか、わからない。

きっと一生わからないだろう。


だがその答えは聞けない。

もう『あいつ』には会えないからだ。


昔を思い出し、清司はそっと、目を閉じた。


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