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第一話 始まり

第一話

気づいたら異世界、しかもステータスがバグってた件

 目を覚ました瞬間、俺は確信した。

 ――ここ、絶対日本じゃない。

 なぜなら。

「……天井が、石」

 しかも無駄に高い。体育館か?

 いや違う。

 周囲には燭台、剣、鎧、そして——

「おお! 勇者様、目を覚まされましたぞ!!」

 白ヒゲのじいさんが、やたら感動した顔で叫んだ。

 ……あ、これ。

 異世界転生ってやつだ。

 最後の記憶を辿る。

 ブラック企業で残業。  終電逃し。  コンビニ前でカップ麺食いながら「人生つら」って呟いた瞬間——

 トラック。

 王道すぎて逆に安心するやつ。

「勇者様は、魔王を討つため、この世界に召喚されたのです」

 じいさん(たぶん王様)が厳かに言う。

「いやちょっと待って。俺、剣も魔法も無理なんだけど」

「ご安心ください。勇者様には“ステータス”があります」

 来た。

 なろうの核心装置。

 王様が水晶玉を掲げると、空中に文字が浮かび上がった。

【名前】ユウ

【職業】勇者

【レベル】1

【HP】999999

【MP】999999

【攻撃力】1

【防御力】1

【敏捷】1

【固有スキル】

《???》

「……え?」

 いやいやいや。

「HPとMPだけおかしくない?」

 王様も固まってる。

「こ、これは……前例のない数値……!」

「でも攻撃力1って、俺スライムにすら負けない?」

 その瞬間。

 《固有スキル:自動最適化 が解放されました》

 という無機質な声が頭に響いた。

「え?」

 次の瞬間、ステータスが書き換わる。

【攻撃力】

状況に応じて自動で“ちょうどよく”なる

【防御力】

受けるダメージを“ちょうどよく”無効化

「……ちょうどよく?」

 意味わからん。

 王様が震える声で言った。

「つまり……勇者様は……」

「死なず、負けず、でも“派手すぎない”存在……?」

 地味じゃね?

 と思った瞬間。

 ドゴォォン!!!

 城の壁が爆発した。

「勇者よ! ここで会ったが百年目!!」

 現れたのは、明らかに強そうな黒鎧の男。

 HP表示、見える。

【魔将軍ガルド】

【レベル】99

「は??? 初戦でそれ???」

 魔将軍が剣を振る。

 ——死ぬ。

 そう思った瞬間。

 カン。

 俺の指一本で、剣が止まった。

「……は?」

 魔将軍の剣が、ポッキリ折れる。

「な、なぜだ!? 私の全力の一撃が……!」

 頭の中で声が響く。

 《攻撃力を“魔将軍をワンパンできる最低値”に調整しました》

 俺は、恐る恐る拳を出す。

 トン。

 魔将軍は、光の粒子になって消えた。

 静寂。

 王様、膝から崩れ落ちる。

「……やはり……本物の勇者……!」

 俺は思った。

 ――これ、もしかして。

 めちゃくちゃ楽な異世界ライフじゃね?




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