第3章 孤独な連鎖
翌朝、アヤカは寝不足のまま目を覚ました。
部屋の窓から差し込む朝の光は、どこか冷たく感じられた。
身体の痛みと心の重さが、昨夜の出来事を鮮明に思い起こさせる。
彼女はスマホを手に取り、無造作に流れるSNSの画面を眺めた。煌びやかな港区女子たちの投稿が次々と流れてくる。
「こんな世界、私にはもう無理なのかもしれない」
そんな呟きが自然と漏れた。
けれども、そこに見え隠れする他人の成功や笑顔に、どこか羨望の念も抱いてしまう自分がいた。
仕事へ向かう途中、駅のホームで偶然ミカに出会った。
「調子はどう?」と気さくに声をかけるミカ。
「まあまあかな」とアヤカは答えるが、心の奥は依然として重い。
ミカは仕事の合間に副業として始めたネットビジネスで少しずつ収入を増やしていた。
「風俗以外の道もあるって、知ってほしい」
だが、アヤカの心はなかなか動かなかった。精神疾患のせいか、変化を恐れる自分がそこにいた。
仕事場に着くと、早速厳しい現実が待ち受けていた。
新しい客は、乱暴で理不尽な態度を取る男だった。
「早く終わらせろよ」と吐き捨てるその言葉に、アヤカはただ耐えるしかなかった。
その夜、疲労と孤独感に押しつぶされそうになりながら、彼女はかすかな希望の火を消さぬよう、自分自身に言い聞かせた。
「いつか、必ずここから抜け出すんだ」
しかし、その思いとは裏腹に、心の奥底では重い孤独が連鎖し続けていた。
彼女の運命は、この孤独な連鎖を断ち切るために大きく動き出そうとしていた――。