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第15章 裏切りの夜
ミカの告白以来、アヤカの心は複雑な感情で満ちていた。
信じていた友が同じ闇に囚われていることに安堵しつつも、その秘密が何を意味するのかがわからず、不安は膨らむばかりだった。
ある夜、仕事を終えて帰宅したアヤカは、部屋で一通の封筒を見つけた。
差出人は不明。中には数枚の写真と一枚の紙切れが入っていた。
写真はアヤカとミカが風俗店で親しげに話している姿を、誰かが隠し撮りしたものだった。
紙切れにはこう書かれていた。
「真実を知りたければ、今夜22時、港区の廃工場に来い。来なければ、お前の秘密は暴露される」
動揺を隠せないアヤカ。
「これって…誰が…」
迷いながらも、彼女は決断した。真実を知るため、危険を承知で約束の場所へ向かうことを。
その夜、薄暗い廃工場の中で待っていたのは、思いもよらぬ人物だった。
裏切りの連鎖は、まだ始まったばかりだった――。