第9話 初依頼の報酬です
あの、アルカとかナイカとかいう冒険者が斬り掛かってきた後訓練場に戻ろうとすると、ギルマスに呼び止められた。
「なんですか?」
「あ、あぁ。アイスのおかげで街の皆が助かった。心から礼を言う」
「え?あのアルカとかいう冒険者、捕まっちゃうんですよね?どちらかというと罵られるほうでは?」
アルカはこの街で最高ランクの冒険者だと言っていた。あいつの言うことが本当なら、この街はアルカが高ランク依頼を受けることで崩壊しできなかったのだろう。
「いや、あいつなぁ。いつも、見た目の良い女に無理矢理絡んでて、街でも嫌われてたんだよ。お前に絡んだみたいにな」
「ああぁぁぁぁぁ!!」
そういうことだったか。それなら分かる。めっちゃじゃないけど分かる。見た目の良い人だけに話しかけるやつって、話しかけられない人からしたらウザいよね。話しかけられる方も、見た目で寄ってきたって分かっちゃうとねぇ。
で、それを見事撃退した私が、救世主みたいになっている、と。
なんか、高ランク冒険者って感じする。街の皆に慕われている冒険者って、憧れてたし、一石二鳥ってやつ?ラッキー!
「それでな、高ランク依頼を受けるやつがいなくなっちまってな。頼めるか?」
「あぁ、そのことですか!全然良いですよ。私、どんな依頼でも受けるって言ったじゃないですか。私じゃ力不足かもしれませんが、精一杯やります」
「いや、力不足ってことはないと思うが。じゃ、よろしく頼む」
「はぁーい!」
よぉーしっ!これからの依頼はないみたいだし、訓練場にいる相手と、模擬戦をさせてもらいましょう!
れっつごー!
ふぅ、戦闘力チェックの依頼は今日までだから、って、模擬戦たくさんやりすぎちゃったかな?皆が引いてた気がする。
そういえば、めっちゃ強い挑戦者がいたな。ルリっていったか。私の幻術も見破ってたし、一時間くらい私と互角に渡り合ってた。多分あの子もハイエルフなんだろう。また話せるといいなぁ。
今日の分の依頼料を受付でもらって、宿に帰る。今日は疲れたなぁ。
明日からは、森に入る依頼を受けたいな。
だってそっちのほうが、冒険者っぽいから!!
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