第6話 初めての依頼
「えぇっと、登録者名はアイス、職業は魔術師、で良いですか?」
「はい、難しい依頼も、誰も受けない依頼も、受けます。よろしくお願いします」
どんな依頼も、どんとこい!
名前は本名で登録することにした。名前を考えるのもめんどくさいし。
「えぇー、はい。発行が完了しました。こちら、冒険者カードになります。身分証明書にもなりますので、無くさないようにお願いします」
「はい、ありがとうございます」
「あと……できれば、その姿だと目立ってしまうため、もう少し大人の身体で来てもらえますか?」
「あぁ、分かりました」
確かに、今も注目を集めてるもんね。
台より小さい少女が、冒険者カード受け取ってるから、で合ってるかな?
「ありがとうございました!」
今日はもう夕方なので、依頼は明日からだ。明日は朝イチで冒険者ギルドに行くよ。まだ陽があがってない時間くらいに。
あの緑色のデカい鳥が思ったより高く売れたので、今日は綺麗な宿に泊まる。ご飯もついてるとこね。
それにしても、デカい鳥が金貨300枚になるなんてね。この宿は銀貨5枚で泊まれるから、これだけあれば2ヶ月生活できる。
……明日のためにも早く寝よう。
おはよ。冒険者ギルドの前のベンチでちょこんと座って待ってる。
誰を、だって?そんなの、決まってるじゃん。職員さんをだよ。
早く来すぎちゃったみたいで、まだ誰もいないの。
……ということで、魔法の練習。
「ウィンドカッター!フライっ!転移!収納魔法!」
……気づいた?私、風属性と空間属性と光属性の魔法しか使えないの。神様の娘でも、使えない属性があるんだよ。
光属性の魔法なら得意なんだけどね、攻撃で使えるのがなくて。
「そういえば、幻術で身体を大人のサイズにしとけって言われてた!」
せっかくだから、風を身体の周りに固めて、触られてもわからないようにしてみた。
そんなことをしていると、やっと人が来た。ギルマスだ。何故か私に気づいた瞬間柄に手をかけた。
「…………お前、誰だ?」
まじかよ。
「アイスですが……」
「あぁ、昨日の!ちと頼みたい仕事があるんだが」
「もちろん、受けさせていただきます」
「いや、俺まだ何も言ってないんだが……」
そういえばそうでしたね。内容は何だろ。
「これはギルドからの依頼なんだがな。今日から一週間、いつも戦闘力チェックをしてくれるやつが休んでてな。本当は俺か副ギルドマスターがやる予定だったんだが、お前なら適任だろう。やってくれるか?報酬は弾むぞ」
「報酬はどうでも良いですけど、受けさせていただきます」
念願の初依頼は、戦闘力チェックに決定です!
お読みいただきありがとうございました。
他の作品を書いていて忙しくてストックが欲しいので、次からは投稿がまばらになるかもしれません。