第2話 冒険者ギルド
「よぉーしっ!憧れのクルハだぁっ!」
私は街に入る前に、身だしなみチェックをすることにした。
流石に葉っぱだらけとかだったら恥ずかしいし。
「服装よしっ、幻術は……かけてないじゃん。あっぶな。」
幻術をかけた私は、改めて自分の姿を確認する。
服装は、普通の子供が着ているような、ドレスというものだ。前世や前前世などの記憶だと、王都の子供や女の人はドレスの人がいたから、クルハの街もドレスを着た人が多いのではないだろうか。
髪は全部下ろしている。緑の輝いている髪の少女だ。幻術で変えられるけど、一応ウィッグをつけてる。……まだ生まれたばっかりなんだもん。しょうがないじゃん。
あと、目の色は青色にしておいた。どちらかというと、水色のほうが近いかもしれないが。
街に入ると、商店街は熱気にあふれていた。
クルハの街に来たのは初めてだけど、王都の様子は覚えている。王都はもう少し人がいたけど、違いと言ったらそのくらい。
すっごい人が多い。ハイエルフの里は人数が少ないから、その分とても多く見える。
「わあぁぁぁぁぁぁ!!」
憧れの街、クルハ。
クルハに行ったら冒険者ギルドがあって、冒険者になれる、とずっと言い聞かされてきたから、街にも憧れていた。
「そ、それより、ギルドだよ、ギルド」
危ない危ない。もう少しで目的を忘れるところだった。私は、今度はギルドを探索して歩きだす。
「すみませーん」
やっぱり冒険者ギルドって良いよね。冒険者達が一斉にこっちを向くのとか、すっごい憧れてたんだよ。
何故かいつまで経っても視線を外さない冒険者達に疑問を抱きながら、私はトテトテとカウンターへ向かって進む。
「登録をお願いします」
「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」」」」」」
「ちょっと待てや、嬢ちゃん。ここは冒険者ギルドやで?間違ってへんか?学校とかじゃないんか?」
????????
私は冒険者になりに来たのだが。
「あのねあのね、私はね──」
「だめだ嬢ちゃん!命を捨てるにしてもその年は早すぎるっ!」
「冒険者になるなら……せめて、10歳になってからにしなっ!」
「それよか、本当に冒険者になりに来たのか!?学校の隣だから間違えちゃったのかもしれんが、ここは冒険者ギルドだぞ!?」
「私はね、だからね──」
「はいはい、落ち着いてください、皆さん!!この子が心配なのは分かりますが、静かにしないとこの子が何をしに来たのか聞けないじゃないですか」
受付にいたお兄さんが、この場を鎮めてくれた。良かった。このまま帰らされるところだった。
「それで、何をしに来たんですか?」
「登録に来ました!」
「そ、そうですね。学校はここではありませんよ。この隣です。お兄さんが連れて行ってあげましょう」
「え?なんでですか?ここは冒険者ギルドですよね」
「そ、そうですが……」
「なら私が合ってます!私は冒険者登録をしにきました!」
「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」」」」」」
この日1番の絶叫がギルド内に響き渡った。
お読みいただきありがとうございました。少し長い、かな?これからもよろしくお願いします。