第13話 郷からの手紙
アイスへ
落ち着いて読んで。
あなたのお母様が病で倒れているわ。
郷の治療師でも何もできないから、あなたのいるグランドール王国で1番腕の良い治療師を連れてきてほしいの。
普通だったらエリカ様が治療するけれど、エリカ様自身が意識を戻さなければ自分を治療することもできないのよ。
この手紙はあなたにしか送っていないわ。
エリカ様の衰弱は激しいの。できるだけ早くお願いね。
エリカ様のためにも、頼むわよ。
クラリス
…………なんなの、これ。
お母様が病で倒れた?そんなわけない。あのお母様だよ?
あの、私が風邪を引いた日でも特別訓練とか言って実戦訓練で闇魔法を放ってきたお母様だよ?
…………何かの罠?
この手紙をもらった私は、確実に王城に向かうだろう。
でも、私を罠にかけて得るものは少ない。万が一にでも私が治療師を仲間にしてしまったら、と考えると、普通の人ならしないはずだ。
そうなると、可能性は2つ。
相手が普通の人じゃないか、本当にクラリスからの救援要請か。
どっちにしろ、私は王城に向かわなければならない。
しかも、罠をかけた敵がいるならバレたらいけないから、目立たないように乗り合い馬車で。
結論が出る前に、馬車乗り場から乗り合い馬車に乗った。
「もうすでに罠にかかっているかもしれないけど、お母様のためなら乗らない選択肢はないよね」
冒険者にならせてくれなかったし、毎日のように私を死にかけまで追い詰めたお母様だけど、だからって嫌いなわけじゃない。
私をここまで鍛え上げてくれたことにも、神様の娘なのに3つしか魔法の適性がない私を大切に育ててくれたことにも、言葉に表せないくらい感謝している。
それなら、今度は私の番。ここまで育ててくれたお母様に危機が及んでいるなら、私が助けなきゃ。
そう思って、私は風魔法で馬車に追い風を送る。
お願い、お母様。
5回も転生するまで待たせちゃったけど、まだまだ足りないと思うけど、これからは親孝行するからね。
安心して、お母様。お母様の敵は、私が全員滅ぼすから。
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