第12話 大騒ぎ
私が薬草採取から帰ってくると、ギルド内は騒然としていた。
理由は、ルリがまだ帰っていないからだという。
過保護すぎるよ、と思ったが、あの愛らしい顔のの新人冒険者なら心配されて当然か。
それに、ルリは誰にでも礼儀正しいのだ。あわよくば自分の彼女に、と思っている男も少なくはない。
「あいつが受けたのは、あの依頼だ!帰ってこない可能性もゼロじゃない!」
「でも、ルリだぞ!?危険だと分からないようなバカじゃない。自分でできると思ったから受けたんじゃないのか!?」
どんな依頼を受けたんだろ。
ルリは、私と同じくらい強かった。戦闘能力試験のときは、運が良くて勝てたようなもの。それに、何か私と通ずるものがある気がした。
自分の力を過信するわけじゃないけど、そのルリが苦戦する依頼なんてあるのかなぁ。
「ルリは、どんな依頼を受けたんですか?」
「っ!?……なんだ、アイスか。ルリはワイバーンの討伐依頼を受けた。このレベルなら、普通はもう1つ下のランクの依頼なんだがな」
質問をした相手はギルマス。1番事情を知ってそうだし、信用できるからね。
私は、頷いて続きを促す。
「それで帰ってこない冒険者が多数いてな。パーティで挑んだ奴らも、1人も帰ってこなかった。何かあるかも、ということで、1つ上のランクに上げられたんだ」
そういうことだったのか。でも──
「──ルリなら、ワイバーンなど1撃のはずですが」
「そうなんだよ。それを見越してルリに行かせたんだが、帰ってくるのが少し、予定より遅くてな」
「それだけでこんな騒ぎですか。大丈夫だ、と言っておきますね」
「おう、頼む」
「みなさん!!ルリなら大丈夫です。たとえワイバーンの群れが一気に襲ってきても、殲滅できる実力を持っています。こんなことのたびに心配されてしまったら、ルリが萎縮して冒険者を辞めてしまうかもしれませんよ?」
この一言で静かになった冒険者たちは、やっぱり単純だ。
でも、ルリだからこそ、こんなに心配されるんだと思う。これが初依頼だというのに、こんなに心配されて。
さすがルリだと思うと同時に、少し羨ましくもあった。
またルリに話を聞きたいな。
お読みいただきありがとうございます!ルリ回みたいになっちゃいましたが、許してください。
あと、この作品は週1で出すことにしました。
具体的にいえば、日曜日の18時ですね。学生なのでテスト週間とかは投稿遅れるかもしれませんが、毎話見てくれると嬉しいです。




