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第21話 うさぎと侮ることなかれ

 この世界に来てから1か月が経った。最初の頃は右も左もわからない状態だったが、今は駆け出し冒険者として安定した暮らしを続けられている。そんなある日、俺のステータスに大きな変化があった。

 

名前:烏野葵 16歳 

Lv 7

職業:探索者

生命力 65/65(+1)

魔力  3/27(+3)

攻撃力 50(+1)

守備力 34

敏捷性 35(+1)

知力  24

【スキル】

槍術Lv2(1up)

斧術Lv1

喧嘩術Lv1

投擲Lv1

凶暴化Lv2

疾走Lv2(1up)

持久力Lv2(1up)

【ユニークスキル】

マスターウェポンLv2(1up)


槍術Lv2:攻撃力+10 槍の扱いが少し上手くなる

疾走Lv2:敏捷性+10 スキル発動時敏捷性1.5倍 効果時間:スキルレベル/分

持久力Lv2:生命力+20 長く踏ん張る力 スタミナがほんの少し増える

【ユニークスキル】

マスターウェポンLv2 魔力を具現化し武器を生成する  〈遠隔生成〉

 

 なんと、ついにユニークスキルのレベルが上がったのだ!新しくできるようになった〈遠隔生成〉は、およそ10メートル先まで生成した武器が残るといったものだ。今までは手元から離れると消えていたから、この変化はめちゃくちゃ嬉しい。

 他には、ギルドで訓練したりハードなランニングをしたり体を鍛えた結果、槍術、疾走、持久力のレベルも上がり、ステータスが強化された。

 一方、変化が起きたのはうれしいことばかりではなかった。ここ数日、鍛錬ばかりで全く依頼を受けていないことに加え、サブウェポンの短剣や練習用の武器を購入したせいで所持金が残り銀貨10枚を切ってしまった。そろそろ大きく稼ぎたいが…南の森は未だに封鎖されていて入ることが出来ない。 

 同じ宿にいるルーシーを起こし、冒険者ギルドに足を運んだ。 まだ早朝ということもあって、受付にはあまりこんでいない。顔なじみのカリンさんの下に向かった。

 「おはようございます。アオイ君、ルーシーさん。本日も指導を受けに来ましたか?」

 「おはようございます。今日は依頼を探しに来ました。そろそろ蓄えが尽きそうで…」

 「…そういうわけでカリン、何か稼げる依頼はないの?」

 俺達の言葉を聞いたカリンさんは、カウンターの奥から資料を持ってきた。話によると、東の草原にホーンラビットの上位個体が出現したらしく、何人もの冒険者が負傷するほど強いとのことだ。

 修行の成果を見せるには丁度いい。すぐに準備を整え草原に出発した。

 街を出てから数十分、水辺の近くにホーンラビットより一回り大きく緑色の角が生えたウサギの姿があった。茂みに隠れたルーシーが狙撃しようと弓を番えた瞬間――――

 「ウゥゥゥ…」

 「!」

 ウサギは正確にルーシーの位置を把握し、威嚇していた。その反応は予想外だったのか、彼女は矢を撃つのを止めてしまった。ウサギは後ろ足を蹴り上げ、茂みに向かって突進しようとするが、俺が間に割り込むことでターゲットを逸らした。

 一瞬の硬直の後、俺が先に動いて槍を前方に突き出したが、攻撃が当たる前にウサギの姿が一瞬ぐにゃりと歪み、気づけば槍はウサギの斜め横を通過していた。攻撃が逸れたことに動揺している隙にウサギは目にも留まらぬ速さで俺に突っ込んできた。とっさに右方に転がって突進を回避したと思ったが…左腕に鋭い痛みが奔る。そこを見ると、皮鎧を貫通して抉り取られていた。

 「気を付けて!ソイツ魔法を使っているわ!」

 ウサギの背後からルーシーの注意が飛んできた。そういえばここ異世界だったな。じゃああいつが使っている魔法はなんだ?

 様子をうかがっていると、今度はルーシーに向かって突進しようとしていた。背中を向けたウサギに攻撃したが、再び逸らされ走り出してしまった。ただ今度は俺に邪魔されたせいか勢いが落ちていたので、ギリギリで回避してくれた。

 「アイツの特性が見えてきたわ。風の防壁と、加速の二つみたい。」

 「風属性ってことか。じゃあ風の防壁さえ突破出来ればなぁ…手数でゴリ押せそうなんだが」

 「それじゃあ、任せて。少し時間を稼いで。」

 「…了解。」

 ルーシーに打開策があるらしい。一体何をするつもりだろう?まあ今は足止めに徹するか。

 ウサギの目の前に槍を薙ぎ払い、突進をさせないように動きを止めた。目つぶしのつもりで土を巻き上げたが、風の防壁に阻まれていた。あれは常時発動してるっぽいな。

 そうこう考えているうちに加速したウサギが目の前に迫っていた。角だけは槍の柄で受け止めたが、俺の体は跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられた。

 体を起こしているところにルーシーの声が草原に響き渡った。

 『宙を揺蕩う風よ、矮小なる嵐を巻き起こせ。≪ブリーズブロウ≫!』

 次の瞬間、ウサギに対して風が吹き、纏っている空気が消えた。これならいけるんじゃないか!

 『疾走』

 スキルを発動させ俺も加速する。槍だと速度を活かせないので手放し、右手に短剣を装備し、空いた左手にもう一本の短剣を生成し切りかかった。

 「キーーー!」

 無防備の体に連撃を叩き込んで大ダメージを与えていく。ウサギは必死に暴れるが、加速できずそよ風を吹かすことしかできない。

 最後の力を振り絞ってもう一度風を纏ったが、ルーシーによってはがされ、何もできずに絶命した。


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