黎明にひとり朝を待つ
乾いた砂のように、指のあいだをすり抜けていく。
知識も、
経験も、
時間すらも。
たよる馬もなく、寒空に吐息も凍てつく。
孤独と、
焦燥と、
自己嫌悪と。
空腹も満たせぬまま、暖の火もすでに小さく。
後悔と、
不安と、
拒絶の嘲笑と。
それでも行かねばならん。
自分でそう決めたのだから。
盾を失くしても割れた鎧で胸を張れ!
剣が折れても鼓舞の歌をうたえ!
標火も遠く弱くなり、やがて消える。
それでも今はただ、黎明に潜み朝を待つ。
雄々しく叫んでふたたび戦場でまみえる日を胸に。
待ってたよ。ありがとうございます。