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ABSOLUTE CONTROL ~リアルの呪文をあげる  作者: メイズ
鬼胡桃高校 1ーD
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俺は木見戸に味方する〈ライダ〉

 そして週が明けて月曜日の朝。B組の俺の教室。



 俺、自分の席でキサラと二人で撮った写真の数々をスクロールさせながら眺めてた。



「おーい、ライダ! わりぃ、ちょい来て」



 キサラがB組の前扉から俺を呼んだ。


 今度は何だろな? キサラの方からまた俺のとこに来たぜ!

 俺の気持ち通じちゃたし? なーんてな。



「おっふ、なんだよキサラ。朝っぱらから。あは、ちょうど俺、お前のこと考えてたんだぜ」


 俺は廊下まで出た。


「俺の?」


 キサラが、怪訝そうに俺を見た。


 やば。


 俺の心の奥の気持ちがバレたらキサラに嫌われちまう。

 俺は多くを望んでる訳じゃない。キサラの友だちでいられればそれでいい。ただ、側にいられれば。見てるだけで・・・



「まーなっ。予感がしてさ。また教科書忘れて俺に借りに来るんじゃないかってさ。知ってるぜ? キサラ、A組のくせにB組の時間割も持ってんだろ?」


 俺は軽口をたたいて誤魔化す。


「へっへ・・・バレてたか。頼りにしてるぜ、ライダ。だけどな、今日は違う。ちょっとさ、相談したいことがあってさ。昼休み空いてる?」


 なんだかマジっぽい?


「・・・相談? なんについて? いいけどさ」


「えーーっと、昼休みに言う。じゃあなっ。忘れんなよっ」


 なんだろ? この前聞いてきたD組と永井先生の話に関係あり? それともバスケ部のこと? 


 俺がその後、キサラが何を言い出すのか色々想像して もやってしまったのは仕方がない。



 昼休み、昼飯食った後 廊下で落ち合った。


 俺はキサラが何を言うのか内心緊張してる・・・


 キサラが、人に聞かれたくないって言うからこの時期は閑散としてる進路資料室に入り込んだ。ここならたぶん誰も来ないし人目にもつかないだろう。


 そこで、キサラが語ったことは俺の想定外!


 まさかキサラもあの宇良川ルルスと同じ中学で、しかも同じクラスにいたこともあったなんて!


 この二人につながりがあっただなんて思いもよらなかった。


 しかも、中3の時にキサラまで被害に遭ってたかもしれないって?


 俺は昔のキサラを知らない。そういや俺、キサラのことなんも知らねぇ・・・過去のことも、キサラの家のことも聞いたこと無かった。


 キサラはプライベートをほとんど語らねぇし。


 それにしても、宇良川ルルスって昔っからああいうおかしな奴だったんだな。正にサイコパスだよな。あれ。


 俺はキサラが望むのならそうするけれど、でもわざわざ宇良川と接触するなんて・・・

 キサラに(わざわい)が起きたらどうすんだよ?



「とにかく、宇良川(うらがわ)ルルスに連絡入れんのはいいけどさ、マジいいの? そんな昔のこと蒸し返して。きっと祟られっぞ?」


 俺は止めた方がいいと思うけど。


 キサラの為に俺は気が進まないけれど、宇良川ルルスとの仲介は引き受けるしかない。


 キサラが望むのだから。


 キサラは、懸念してる俺におもむろに にやけた顔を向けてスマホを差し出した。


 このデレッとしたキサラ・・・?



「仕方ないんだ。ヤシロの心の平穏の為だ。見てくれよ、超可愛いだろ? 俺の本気の彼女」



 ヤシロって? 可愛い女の子とのツーショット写真?!


 外で彼女いたんだ? キサラだったらいてもおかしくはないと思ってたけど、今までそんな話も出て来なかったし、このタイミングで来るとはな。


 キサラの好みの子って・・・お前、面食いだな。めっちゃかわいいじゃんか。この二人の笑顔。妬けるぜ。



 俺の知らないキサラの世界。


 俺の知らない一面。


 俺の知らないキサラを知ってる女の子。



「何だよ? ライダ、マジの彼女いたのかよっ!」


「まあね。つい2日前からだけどな、ふふっ」


 マジかよ? ついこの前の土曜日に?


 聞けば、この写真の子はキサラの本命ってだけで、まだはっきり付き合ってるって事でもないらしい。


 俺、木見戸リンのこと、どうすりゃいいんだ? 


 キサラにもしも彼女が出来るんなら、それは俺の知ってる木見戸の方がいい。そんな俺の知らない子よりずっと。



「・・・・・ったくよぉ。そりゃこの写真の子めっちゃかわいいけどさ・・・・・こっちだって・・・」


「・・・ライダ?」


 キサラが俺を怪訝な顔で見てる。そして一歩下がった。


 えーっと・・・俺、気持ち駄々漏れだった?


 俺は話そらして誤魔化す。



「・・・何でもねーよ! じゃ、俺、宇良川(うらがわ)さんの都合聞いとくから。マジいいんだな? それで」


「頼む」


「じゃ、後でキサラに結果送るから」


「あざー。恩にきるぜ! ライダ」



 俺はどうせならその子より木見戸推しだぜ? そんな知らない女子にキサラを獲られてたまるもんか。木見戸だって清楚な美人だ。

 それにこっちには木見戸リンの特製弁当という強力アイテムがあんだ!



「そんでさ、今週の金曜日キサラ誕生日だろ? お祝い昼飯用意すっからさ、一緒に食おうぜ。」


 俺は得意の爽やかスマイルで親指を立てた。


 木見戸には最高の弁当を作ってもらわねぇとな。

 キサラをめっちゃ感動させるような。


「お、おう・・・サンキュー。でもさ、一体どういう風の吹き回しだよ? 急にさ」


「えっ、え~と・・・なんていうか、俺、キサラに本命彼女がいるなんて今知ったとこじゃん? 俺だって今、戸惑ってんだ。でも、これはもう引き返せない。お前にその気が無くたって気にすんな。これはこっちが勝手にしてるだけだから。ってことで、金曜日、楽しみにしてろよ!」



 キサラを外部の女子に渡してなるものか!



 今週の金曜日は血戦だぜ! 



 木見戸リン、俺がついてる。気合い入れろよ!






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