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ABSOLUTE CONTROL ~リアルの呪文をあげる  作者: メイズ
挿話 リアルの魔法のスペル~ サイコパス誕生
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それはあの子の模倣〈ルルス〉

「そう? ありがとう・・・・・じゃ、向岸さん、ここに入学してからもずっと二つ結びにしてたんだ?」


「うん、そうだよ。これは違反じゃないよ? どうかしたの?」



 ・・・・・ずっと前から長かったんだ?



 向岸さん、ずっと二つ結びにしてたんだ。


 1年の頃も既に。それも入学する前から。



 誰の告白も全部却下してきた津田沼くんが、3年になって急に仲良くしだしたのは、二つ結びのキラキラ美少女、向岸ヤシロさん。


 ・・・これってどういうことなんだろう?



 二つ結びの女の子が好みだった津田沼くん。


 そうなった理由は?


 もちろん、きっかけは二つ結びの素敵な女の子をどこかで見たからだよね?


 それが津田沼くんの惹かれた女の子。


 だから二つ結びフェチになったんだ。



 1年のある日、私に二つ結びを勧めてきた津田沼くん。



 ・・・・・向岸さんを見たから?



 向岸さんさんのチア部と津田沼くんのバスケ部は関わりが深い。

 わりと強豪の我が校男子バスケ部の試合には必ずチアの応援が付くって聞いてる。


 1年の頃から知り合いだった可能性が高いよ?



 ・・・・・津田沼くんはずっと向岸さんに憧れていて、私に同じ髪型を勧めてきたの?


 そういえば私、伸ばしてる途中で言われたね。



『まだまだ短いな、これじゃ全然違うじゃん』



 誰と比べていたの?



『えっと・・・俺はもっと長いウェーブの髪の二つ結びがいいなって・・・・・』



 そうだね。


 二つ結びっていたって結ぶ位置も長さもバリエーションは多々あるもんね。



 津田沼くん好みは、ウェーブのセミロングを耳の後ろで二つ結び。


 それって、まさしく私の目の前にいるこの子のことだよ? ねぇ、そうだよね? 津田沼くん。



 ・・・津田沼くんはずっと一途に向岸さんに憧れていたんだ!



 だから今まで何人もの女子に告白されてもみんな却下していたんだ!


 私が契約彼女してたからじゃない。


 3年になってやっと向岸さんへの想いが叶ったってわけね。



 ーーー不可解氷解、解読完了。



「ううん、可愛いなって思って聞いただけ。向岸さん、すごくモテモテだって噂だね? 彼氏いないの?」


「へっ? あたし別にモテてなんてないよ? 彼氏もいないし、いない歴15年だもん」



 嘘。津田沼くんに告白されて付き合ってるんでしょう?


 津田沼くんに告白されて断る女子がいるわけないよ。


 とぼけたふりして、キラキラ美少女は控えめなのね。

 自慢にならないように、妬まれないように気を使っているのね。


 モテてないなんて嘘になってるよね?

 本当は津田沼くんとも付き合ってるくせに。 



「・・・そう、ふうん? 嘘が得意みたいだね。好きよ、そういうとこ。私はね、1年の時には秘密の彼氏がいてね、知ってるかな? バスケ部の津田沼如月くん」


 彼氏の元カノが名乗りでたらどんな反応するの?


 多少は気後れしてよ。


 嘘つきさん。




「嘘が得意って? 言ってる事がよくわからないよ」


「驚いた?」


「え? 何に?」


「何って・・・、私が津田沼くんと・・・ってことよ」


「それがどうかしたの? どうしてあたしに言うの?」



 どうしてこんなに余裕な顔してるの?


 私のことなんて気にする価値も無いってこと?



「・・・何とも思わないわけ? 私に対して」


「ん?・・・あたし何を思えばいいの?」



 そのかわいいお顔は傲慢の(あかし)ってわけね。


 キラキラ女子から見た私は嫉妬する対象にもならないのね。


 だからって、なんてひどい言い方なの?


 私の存在を歯牙にもかけないそのとぼけた態度!


 なんて高慢ちきなの?


 他に言い(よう)は無いわけ?



「・・・もういい。向岸さんとは会話にもならないね。鈍過ぎて。じゃあね」



 私はガマンならずに即座にきびすを返した。



 上から目線で私を見下す向岸さん。


 私の心は心無い言葉と態度でまたもや傷つけられた。



 私は廊下を一人早歩きしてたら、おもむろに涙が浮かんできた。



 また、こんな(みじ)めな思いをさせられるなんて。

 

 私はどうやって私を肯定すればいいの?


 ボランティアだけでは満たせない私のレーゾンデートル。

 


 私は気づかぬまま1年以上努力して、あなたに近づくための模倣をさせられたというのに。


 そして得たものは恥さらしの刹那のキスだったなんて。



 津田沼くんがお詫びとお別れを秘めさせて私にくれたキス。


 私にせがまれて仕方なくしたキス。


 

 そんなのが私の初めての・・・・・




 私はとんだ道化師ね。




 ーーー私、もう、消えてしまいたい!!






レーゾンデートル = 存在理由

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