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ABSOLUTE CONTROL ~リアルの呪文をあげる  作者: メイズ
挿話 リアルの魔法のスペル~ サイコパス誕生
32/221

彼女は私だもん〈ルルス〉

 その契約交際から1週間くらいにたった頃のことよ。


 如月くんは私に、


『髪この辺まで伸ばして、耳の後ろで二つ結びにしたらいい感じじゃね?』


 なんて言って来たのよ。


『ウェーブっていうか、くせ毛ついてんのっていいよな。雰囲気がさ』


 如月くんはね、ふわふわウェーブのついたくせ毛っぽい感じで、髪の長い女の子が好きみたい。


 こんなこと言われるってちょっと嬉しい。

 だってそれって私、いかにも彼女って感じだもん。


 そうか、うふふ。自分の彼女には好みの髪型をして欲しいんだね。あいにく私はストレートヘアだけど、ヘアアイロンでちょっとだけ巻けばいいよ。


 私はそれほど背も高い方じゃないし、小顔だから短い方が似合うんだけど、二つ結び出来るまで頑張って伸ばすよ。

 


 如月くんに私のこと本当に好きになってもらいたいから。



 私のキラキラスクールライフは順調にスタートした。


 ・・・・・はずだったのに。



 如月くんはバスケ部に入っていたし、学校が休みの時も部活があったりするせいだわ。


 だから私をデートに誘ってくれることもなかった。


 学校でも私たちの事は秘密だって約束だから、特別にお話することも無かった。


 たまに夜、LINEで短いトークするだけ。


 しかも私から送るのよ。


 リプは、『今日は疲れた! おやすみー』とか『明日の宿題よろ!』とか『今日俺んちチンジャオロース。あれうまいよな!』



 これでは彼女とは言い難いよ。


 私は半日でもいいから一緒に出掛けたくて何回も誘った。


 二人だけでゆっくり過ごせる所に。



『如月くんは彼氏だよ? たまには一緒に行って欲しいの。お願い』


『宿題世話になっているしな。わかった。俺、行くから怒んなよ』



 それは釣り堀。


 ここなら高校生の女の子なんていないし、いるのはおじさんと子どもがほとんどだし、如月くんも私だけを見ていてくれるはずよ


 お話だって、たくさん出来るよ。



 いざ、初めてのデート。


 それなのに・・・いつの間にか私の隣で釣竿を垂らして座ったままうとうと寝てしまってる如月くん。


 いいんだよ? きっと私といてリラックスしてるのよ。

 いつもはカッコよくキメてるけど寝顔はかわいいのね。うふふ。


 それから私が誘って2回ほどそこに行った。



 でも、デートはそれきりだった。



 仕方ないよ。

 如月くんはバスケに夢中なんだもん。時間がないの。


 私も自分のボランティア部の地域活動要請が増えて忙しくなって来て。

 でも、ボランティア部では友だちもたくさん出来た。


 先輩も真面目なしっかりした人が多いし、リーダーシップもあって見習う所が多い。

 如月くんとデートはスケジュールが難しかったけど、私はその分こっちでキラキラ出来たのよ。人の役に立つのって嬉しいね。



 教室では・・・宿題を渡した時に私にくれてたのあの如月くんの笑顔、次第に無くなった。


 見せてもらうのが当然って感じの事務的態度。


 悲しいけど、朝、宿題を渡す時だけが私と如月くんの直接のつながりだから。

 それに如月くんのお役に立てるのは嬉しいもん。



 そんな風に1年生は終わったの。



 そして、私たちは2年生に進級した。


 残念だわ。


 私は1組。如月くんは7組。


 階まで離れてしまった。


 なぜ1組だけ4階で2~7組は3階なのよ? 神様ひどいよ。


 これじゃ、休み時間にすれ違うことだってないよ?


 私は如月くんのために一生懸命髪だって伸ばしているの。

 如月くんの好きなタイプになりたいから。


 宿題はもう見せてあげられないけど、まだ契約交際は延長だよ。

 髪だってかなり伸びてきた。もうちょっとで如月くんの理想的長さになるからね。



 メッセージを送ってもたまにしか返事がこない。

 男の子ってこんなものなの?


 最近では如月くんは更に人気者だよ。


 1年の終わりにはクラスのアイドル的存在だった音無(おとなし)さんが如月くんに告白したらしい。


 彼女、ずっと如月くんのこと狙っていたの知っていた。

 私が如月くんの彼女だと知らないで。


 私が如月くんに宿題やノートを見せてあげてること気がついて、ずいぶん都合のいい人になってるのね、って高飛車に嗤ってバカにしてきた。

 あんたなんて私と如月くんのこと知らないくせに。


 2年になってからは女子バスケ部の女子とか1年生の女子も告白したって噂を聞いた。


 私が知っているだけでも、3人。


 私は心配になって、その度にメッセージを送って確かめた。



『んなもん全部却下に決まってんだろ?』



 いつも、そうリプしてくれた。


 わかってたよ。信じてるからね。


 だって彼女は私だもん。



 ねぇ、そろそろ私たちのこと公表してもいいんじゃないかな?


 もっと堂々とデートしたり、学校でもイチャイチャお話してもいいんじゃない?


 リプだってもっと返して欲しいよ。



 私はその事をメッセージにして何回も送った。


 如月くんは『もう、宇良川(うらがわ)さんとは1年の頃とは違うだろ?』とか、『宿題の世話にももうなっていないだろ?』とか、つれないことばかりリプしてくる。


 このままじゃ私たち終わっちゃう。


 実際には顔も会わせないままもう6月も終わろうとしていた。


 だから私は思いきったメッセージを送ったのよ。



『私、お話があるの。部活終わったら、グラウンド脇の用具倉庫の裏側に来てね。来るまでずーーーっと待っているからね。』


『俺は忙しいから無理。悪いな』


『私、如月くんが来てくれるまで絶対に帰らないからね。来てくれるまでそこから動かないから』



 私、今日思いきって決意してることがあるの。


 

 






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