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ABSOLUTE CONTROL ~リアルの呪文をあげる  作者: メイズ
よみがえる思い出の中で
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ちぐはぐトーク〈ヤシロ〉

 如月くん、もしかして宇良川うらがわルルスさんとまた付き合っているのかな?


 あの真面目できっちりしてる宇良川うらがわさんとかなり尖った雰囲気の如月くん。


 知ってるよ、あたし。


 この一見組み合わせ不釣り合いな二人が中学1年の頃、秘密で付き合っていたとか。


 その事はあたし、中3の・・・えーっと、あれは夏休み明けくらいだったかしら。知ったの。


 なぜって・・・それは宇良川うらがわさん本人があたしに言ってきたから。




 そう、中3の時あたし、風紀委員していた。


 しょぼーん・・・これはくじ引きで外れてしまったためよ。


 月に1、2回、放課後会議のある風紀委員会。


 宇良川うらがわさんは風紀委員長だった。


 あれは今もよく覚えてるの。彼女は委員会会議第1回目からとても厳しかったから。


 委員長の宇良川うらがわさんと副委員長の何とかっていう男子が、集まった全学年全クラス風紀委員たちを一列に並ばせて、校則に違反していないか、いきなりの服装検査を始めたの。


 女子のスカート丈と靴下の長さに色と柄、爪、リップ、髪の結わき方、男子にはネクタイの緩みと、髪型と靴下の。


 あたしはその時はスカートの長さも巻き巻きしてたのはさすがに元に戻していたし、髪はいつもの二つ結びだったし、靴下もただの黒無地で注意されることはなかったけど。


 宇良川うらがわさんは各クラスでも校則違反は厳しく取り締まるようチェックポイントを上げてあたしたちに示した。


 決められた決まりは絶対的だからって。


 守れないのは "頭の悪い印" だとか。


 そりゃ、決まりを破るのは良くはないけど・・・・・そこまで締め付けなくてもよくない?って思ったわ。


 誰かに直接迷惑かけてる訳でもないのに。


 ちょっと怖かったな。彼女。


 あたしはちょっと苦手なタイプだった。





 あれは・・・・・そう、夏休み明けの最初の委員会が終わった後、宇良川うらがわさんに呼び止められたんだった。



「ねぇ、あなた、待って! 向岸(こうぎし)ヤシロさんでしょ?」


「うん、そうだけど・・・?」



 あたしに話しかけてくるなんて、何の用なのかしら?


 はっ! もしかして今日あたしがはいてる靴下のことで注意する気? それともこの髪ゴムの色のこと?


 この靴下、ワンポイントのピンクのハートの刺繍が入ってるけど、これはセーフだよ? 髪ゴムだって、これくらいの色味なら紺色の内だよ。



「ねぇ、その二つ結び、かわいいね。いつからしてるの?」


「え? これ?」


 あたしは左右の結んだ髪を横に引っ張った。


「ずっと伸ばしてたの?」



 なーんだ、違ったよ。なんか注意されるかと思っちゃった。びくったぁー・・・やめてよね、もう! いきなり世間話?



「うん、小学6年の頃からずっと学校ではこれよ。レイヤーセミロングが好きなの。ほどいた時もいい感じだし。ほら、あたし癖毛でしょ?だからちょっと長めの方が落ち着くの。宇良川(うらがわ)さんの丸めのくびれレイヤーボブ、かわいいね。ショートヘア、すごく似合ってる」


「そう? ありがとう・・・・・じゃ、向岸さん、ここに入学してからもずっと二つ結びにしてたんだ?」


「うん、そうだよ。これは違反じゃないよ? どうかしたの?」


「ううん、可愛いなって思って聞いただけ。向岸さん、すごくモテモテだって噂だね? 彼氏いないの?」


「へっ? あたし別にモテてなんてないよ? 彼氏もいないし、いない歴15年だもん」


「・・・そう、ふうん? 嘘が得意みたいだね。好きよ、そういうとこ。私はね、1年の時には秘密の彼氏がいてね、知ってるかな? バスケ部の津田沼如月くん」


「嘘が得意って? 言ってる事がよくわからないよ」


「驚いた?」


 ニコって笑った宇良川うらがわさん。


「え? 何に?」


「何って・・・、私が津田沼くんと・・・ってことよ」



 うちらなんか、トーク噛み合わない。


 その口調。もしかして怒ってる?



「それがどうかしたの? どうしてあたしに言うの?」


「・・・何とも思わないわけ? 私に対して」



 なにやらイラ立ってる様子。



「ん?・・・あたし何を思えばいいの?」



 はてさて? いちいち自分は誰々の元カノです、とか元カレですって名乗り出てこられてもねぇ・・・それをあたしに知らせて何だっていうの? なんか変わった人ね。


 あ、もしかして・・・宇良川うらがわさん、これをいろんな人に言って回ってるとか?



「・・・もういい。向岸さんとは会話にもならないね。鈍過ぎて。じゃあね」



 宇良川うらがわさんは呆れた顔して行ってしまったの。


 あたしだってワケわかんないこと急に振られて何て返せばいいのかわかんなかったよ?


 いきなり私に "(にぶ)過ぎ" なんて失礼よね?

 彼女とはそれまでお話したこともなかったのに。


 その時、どうしてあたしにそんなことを言って来たのか戸惑ったのを覚えている。


 ううん、今だってずーっと謎のままだよ。


 変わった人だったな。宇良川(うらがわ)さん。




 如月くん、ああいうタイプの子が好きなのね。


 男子と恋ばななんて余りしないからそういうこと聞いたことなかったけど。 






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