シロイ vs グレイ&ネズ〈如月〉
「それがさ、クロイさんとグレイさんとネズさんはなんと・・・・・」
俺はライダから聞いたその後の3人での話をヤシロと泉さんに聞かせた。
ライダの話の続きは意外な方向に向いていた。
俺だってどうしてそうなんのかわかんねーけど、結果そうなったんだから、これもライダの言う通りシロイの呪いってのかもな。
永井先生は授業を降ろされた。
D組の古典は他の学年の古典教師も含め、数人が代わる代わる担当することになったそうだ。
もちろんもう誰もクロイさんを問い詰めることなどない。
だって、シロイさんはクロイさんにいじめられてるなんて言っていません、と言ってるんだから。
表向きは永井先生が自分の授業を崩壊させてしまった言い逃れに、そのような作り事を言ったと言うことに落ち着いている。
その日は欠席だったクロイさんは数日後からは復帰したとか。
表面上の解決はさておき、クロイさんに濡れ衣を着せたのはシロイさんだと確信していた友だち思いのギャル、グレイさんとネズさん。
グレイさんとネズさんはベランダにシロイさんを呼び出して問い詰めたらしいんだけど・・・
『3人とも立ったままだったから教室内の窓からその対決の様子は見えてたし、窓も開いてたから窓際の席に座ってた人には会話が丸聞こえだったみたいでさ』
ライダは言った。
それの内容は瞬く間にクラス中に広がったんだって。
1ーD 教室 ベランダにて
「シロイさん。あんたが永井に嘘ついてクロイちゃんを罠にかけたことはわかってるんだからねっ! 騙された永井にもムカついてるけど、あんたにはもっとムカついてんのよ!」
教室のベランダで二人は、シロイさんに詰め寄った。
「私、何でそんなこと言われるのかな?」
シロイさんは心外を表した表情。
「うちら、知ってるから。あんた、ゴールドに振られたんだって? そんで彼女になったクロイちゃんのことイラつくとか、リア充過ぎて不幸もないと幸せがわかんなくなるとかどうとか言ってたんでしょっ!」
"Oh, Where did you hear about that?"
(えー、それってどこで聞いたの?)
「何言ってんのよっ!」
"And, Do you have any evidence that I've told anyone so that?"
(それでさ、あたしがそう言った証拠があるわけ?)
「普通に言いなさいよっ!」
"・・・I mean you guys're complete idiots! I've known it. And so , I don't think you can see the truth."
(あんたたちって、まじ超バカ! 知ってたけど。ってことで、あんたたちにはホントのことはわかんないと思うよ)
「なんなのよっ?」
「うふふ。何でもないよ。私が言ったのはね、それは a misunderstanding 、つまり誤解だってことよ」
「うちら、ちゃんと聞いたからねっ!」
「聞いた・・・ねぇ? 噂ほどあてにならないものはないと思うよ。私さ、クロイさんには同情してるの。あの永井先生の指導力が欠如していたせいでこんな目にあって。あたしだって被害者だよ? 私は永井先生が失敗を責任転嫁しようとするのに利用されてしまっただけよ。私の名前を出せば他の先生方から信用されると思ったんじゃないかな?」
「嘘ばっか言ってんな!」
「・・・じゃあ、聞くわよ? クロイさんにいじめを受けている、と私が言った所を聞いたの? 聞いたことないよね? 私はそんなこと言っていないし、昨日私が1F予備室に先生方に呼ばれた時もそんな話が出たけど私は否定したよ。知ってるんでしょ? あなたたちが窓の外側にこっそりいたの、私の座った向きからは頭、見えてたよ。聞いてたよね?」
「・・・知ってたの?」
「あのね、永井先生は真面目な人でしょ? だから、校則を破ってギャルメイクしてスカート短くして、ろくろく勉強もしてなくて、授業中寝てて、お掃除当番さぼったり提出物を何回も催促してもなかなか提出しなくて迷惑をかけるクロイさんみたいな人が許せなかったのよ」
「そんな子他にもたくさんいるじゃん!」
「そうよ。だからあなたたちだって私をいじめてるっていちゃもんつけられて問い詰められたんでしょ? それは、永井先生は不真面目な女子生徒が嫌いだからなのよ」
「そりゃ、あたしたちは真面目とは言えないけど、ダサいカッコはしたくないししょうがないじゃん」
「それはそれでいいかもだけど。永井先生による古典の授業の崩壊の直接の原因が示されたら、あなたたち授業を妨害したってことで停学や退学勧告される可能性だってあるよ? あなたたちは聞いていたでしょ? 私はあなたたちをかばって授業崩壊の責任は永井先生側のことしか指摘はしなかったよ?」
「停学や退学って・・・そんな・・・授業中おしゃべりしてただけじゃん」
「ふふ。勘違い、はなはだしいな。学校は授業を受けるために来ているのよ? 友だちとおしゃべりして遊ぶためじゃないの。そう、それにそういうことは永井先生が決める事じゃあないもの。職員会議で決まるの。きっとこのままじゃあんたたち最悪退学かもね・・・・・」
「うそだ・・・・」
「事実だよ? 実際、あんたたちはすごい授業妨害したよね? お陰で古典の授業がずいぶん遅れてしまったわ。あんたたちの授業妨害の様子、実は私も記録してあるのよ。動画でね。あのあんたたちの酷い態度、その外見と併せて先生方と世間はどう見るかな?」
「あっ、あんたあたしたちを脅す気なのっ!」
「そういうんじゃないよ? でも、いいんじゃないの? 尊い友情によりお友だちのクロイさんは無事元通りの生活になるわけだし。あんたたちは自分を犠牲にしてお友達を救う、というミッションは果たせたしね」
「犠牲って・・・そんな!」
「きっと、近々親も呼ばれるよ? もう、他の先生から口頭注意注意を受けるだけじゃ済まないと思う。だって先生を1人潰したんだよ? どういうことかわかってるの? こんなの県教育委員会にだって報告案件だよ?」
「そんな!」
「・・・いいよ? これからはあたしの言うこと聞いてくれるなら庇ってあげても」
「何それ・・・・ざけんな!」
「救えるのは先生方に信頼されてるこの私だけなのに。いいならいいよ? 別に私はあんたたちのことなんて関係ないから。もういいでしょ。私忙しいから行くよ」
「ま、待ちなよっ! シロイさんてばっ・・・あたしたち、こんなことで学校退学たくないよっ!」
「私、知ーらないっと」
ライダは結末をこう締めくくった。
シロイさんは教室に戻って来てさ。
その後ちょっとしてからグレイさんとネズさんが微妙な顔しながらベランダから戻って来たんだ。
クラスの、その時ちょうど教室にいた人たちは、もちのろん教室から気にしてさりげなく見ていたさ。
この俺だって。
その日の内に、グレイさんとネズさんは明日、親を呼び出されることを担任に通告された。
そんで、俺ら気づかない内にいつの間にかグレイさんとネズさんはシロイさんに服従となってたんだ。ついでにクロイさんもいつの間にか追加されててさ。
しかも、クロイさんはゴールドのやつと別れてた。
何でそうなったのか俺ははっきり知らないけどな。
やっぱ、あいつらシロイの呪いにかけられたんじゃね?
シロイさんに挑んだがいいが、あっさりからめとられたってか? あいつら気のいい単純生物だし。行動パターン分かりやすい奴らだしな
ライダはそう言ったんだ。
薄く嗤いながら。
クロイさん、グレイさん、ネズさん服従の真相は後々どこかに挿入します。




