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ABSOLUTE CONTROL ~リアルの呪文をあげる  作者: メイズ
よみがえる思い出の中で
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アオイくん(仮名)の証言 ~天誅の理由〈如月〉

「ライダ、俺キミドリさんにも聞いてきたぜ。何だよシロイの祟りだの呪いだのって。揃いも揃ってそんなこと言って。俺、今日初めて聞いたぜ」


「お前は去年D組じゃなかったからな。このことはみんな口にしたがらないから。キミドリもけっこう病んでただろ?」


「ああ、なんだよ?あの化粧。あれで素顔は美人ってマジ?」


「あははは! キサラは信じられないかもしんないけど、最初は清楚でキレイな子だったんだけどね・・・俺、入学してすぐに撮ったクラス集合写真持ってるぜ?見せてやんよ、えっと・・・・・ほら、この子キミドリ」


「・・・・・シロイの呪いやべぇな」



「お、チャイムだ。もう昼休みも終わりだな。そうだ! ついでにXXXにも聞いてこいよ。C組にいるから。誰かに話聞いてもらうと楽になるっていうじゃん。XXXのためにもなるかもだしな。俺XXXにLINEしとくから、放課後行ってみろよ。その後で俺んとこ来て」


「そいつも病んでんの? 俺、カウンセラーみてーじゃん。でもま、いっか。さんきゅーライダ、また後で」 



 俺はライダから去年の被害者、今はC組にいるXXXって男子を紹介されたので早速放課後話を聞きに行った。




 アオイくん(仮名)の証言



 あ、うん、ライダくんから聞いてるから、いいよ、別に。

 僕の去年の辛い思い出を聞きたいんだろ?


 でも、どうせ君も僕を疑っているんだろ? 


 え? 僕のこと今日初めて知った? そうなんだ・・・


 君の名前は・・・如月くんだっけ? キサラでいい? わかったよ。


 これを聞いてキサラが僕のこと信じてくれれば嬉しいけど。



 あれは・・・入学して少しずつ周りにも慣れてきて、友だちも出来てきて学校も楽しくなってきたころだったのに・・・・・


 何だか急にみんなよそよそしくなったっていうか、特に女子からは避けられているみたいになってきたって感じたんだ。


 なんでだか僕には全くわからなかった。


 周りに聞いてみても、はぐらかされてすぐにあっちに行ってしまうし。


 それは日に日に歴然としてきて・・・・・


 でも、ある日僕はなぜ周りがよそよそしくなったのか知ったんだ。



 僕はトイレの個室に籠って一人昼休みを過ごしていた。


 その頃には僕はクラスのみんなに相手にされなくなっていたから。


 そこで僕の噂が聞こえてきたんだ。



『アオイのやつ、やべぇよな。またやってたらしいぜ? さっきシロイさんから聞いた』


『マジ? 昨日はアカイさんの体操服嗅いでたらしいぜ? ミドリがシロイさんから聞いたんだってさ。アカイさん、面倒いってロッカーに鍵つけてないじゃん? ったく無用心だよな。アオイきもっ』


『ロッカー荒らしてんのもアオイって本当なのかよ?』


『財布から抜かれた奴もいたよな? それもあいつじゃね?』


『最初はいい奴っぽかったのにな。アオイ。』


『だよな。人は見かけによらないよなぁ、マジで』



 そんな噂が流れていたなんて!


 僕はトイレから飛びだした。



『ねぇ! そんなの嘘だ! 誰がそんなこと言ってるんだよ!』



 突然泣きながら飛び出した僕の剣幕にクレナイくんとシンクくんがびっくりしてさ。


 彼らは教えてくれたんだ。

 今までの僕の噂を。


 僕が万引きしてるのを目撃した人がいるとか、鍵の開いてるロッカーから財布を見つけては現金をパクってるとか、置いてある女子の体操服を嗅いで回ってるとか。



『そんな・・・その噂はデタラメなんだ! 信じてくれよ』


『そんなこと俺らに言われてもな。俺らだって噂で聞いただけだし』


『僕はロッカー荒らしじゃないし、臭いフェチでもないよ!』


『そんなにいうんなら自分で証明してみろよ。俺ら関係ないし』



 そうであることを証明するのは簡単だけど、そうじゃないって証明するなんて無理だ。

 実際でそんなに簡単に背理法は使えはしないんだ。



 僕は何の手立てもなく悶々と過ごしていたある日、クレナイくんとシンクくんが僕にこっそり教えてくれたんだ。


 シロイさんが僕を恨んでいるらしいって。

 もしかするとこれ、関係あるかもしれないぜって。


 彼女、僕のこと、こう言ってたんだって。



『私がノートをとっている時にさ、アオイくんが机にぶつかってきたから手がぶれてページがシワになっちゃったんだよ? なのにアオイくんは知らん顔して行っちゃってさ。あの男ムカつく!天誅与える』って。



 ・・・そういえばそんなこと昔あったかもしれない。



 僕が次の授業の教科書を忘れているのにギリで気がついて、慌てて他のクラスに借りに向かった時に。


 シロイさんの机にぶつかってしまって。


 僕は確か、振り向いてごめんって言った。


 その時シロイさんと目が合って、彼女は無表情で僕の顔を見ていた。


 僕はそのまま急いで教室を出て行った。



 まさか、あのことで僕を恨んで?


 本当にそんなことで?



 僕は次の日、女の子の好きそうな可愛いノートを一冊買って学校に持っていった。


 そしてさりげなく、席に着いていたシロイさんに渡したんだ。


『僕、このノート貰ったんだけど、僕が使うのは恥ずかしいから良かったら使ってくれない?』


『・・・いいの? ありがとう。でも、なんで私に?』


 彼女は首を傾げて僕を見上げた。


『えっと、こう言う可愛いのシロイさん好きそうだったから。ほら、いつもこういう感じの持ってるみたいだし』


『ふうん』



 その時、シロイさんの顔は無表情だったけど、その瞳の奥は嗤っているのがはっきりわかったんだ。


 僕は鳥肌が立った。


 彼女から黒いオーラが立ち上っているような感覚を覚えたんだ。



 世の中には関わらない方がいい人間っているんだ。

 僕の第六感が彼女を恐れていた。



 それから僕の新たな噂は無くなった。


 だからといってそれまでの噂のイメージはなかなか消えるもんじゃない。


 クラスで紛失騒ぎが起こる度に僕には冷たい視線が突き刺ささった。


 みんな本当は僕がシロイさんの被害者だってわかってるくせに。



 ねぇ、キサラは僕のこと変態パクり男だって思ってる?


 本当に? 僕のこと疑ってない?


 クラスが替わった今でもさ、みんなあの噂知っててさ、僕を疑っているみたいなんだ。


 え? 気のせい? キサラはそんなこと知らなかったって?


 もう誰も僕を疑ってないって? それはどうかな。


 ライダくんも僕を心配してた? ほんと?


 でもほら、あそこにいる女子二人組、僕を見てる。


 僕が臭いフェチのロッカー荒らしだって言ってるのかも・・・



 え? 俺がかっけーから俺を見てるだけ? 僕を見てる訳じゃないって?


 ・・・キサラっていい人だね。


 って、ちょっとそれ僕をディスってない? あははっ!


 ありがとう、キサラ。ちょっと気分が晴れたよ。


 ・・・・・うん、何かあったらまた言ってくれよ。じゃあね。








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