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ポメラとバイクとカフェで執筆する

作者: 川崎タイチ

 昭和通りにあるいつものスタバのいつもの窓際のカウンターに腰掛ける。

 僕は学校へ行く前にスタバで朝食をとりながら小説を書くのが日課だ。

 カウンター席から見える『自転車置き場』に駐車した彼女≪エストレア≫を眺めがながら飲むカフェラテにうっとりさせられる。


 さて、今日も小説の続きを執筆することにしよう……。


 僕が小説を書くのに使っているのは『ポメラDM200』。

 毎日5000文字程度をノルマにしている。

 スタバでリンゴPCを広げてドヤ顔をするちょっとインテリで嫌みな奴らとは違ってポメラはとても良い。


 小柄なボディーにお淑やかなメロディーを奏でるキーボード。

 極限にまで省かれた機能美。

 まるで近代タイプライターのようだ……!


 僕の小さな手にシットリとなじむボディーもとても素敵だ。

 何より、何処にでも持ち歩けるうえに、タフなスタミナ。

 まるで僕のエストレアと似たもの同士だ。


 ラテを少し口に含み香りと味を楽しみながら、昨日の続きを今日も執筆することにしよう。

 ショートサイズの紙コップをポメラの右脇に置くと、カップの高さとポメラのディスプレイの高さが同じに素朴な愛らしさを感じる。

 目線を上げるとディスプレイの上にちょこんとエストレアが見えるこの席がとても気に入っていた。

 彼女と出かけた旅の記録を小説にしてる今、このアングルに癒やされる。


 僕はエストレヤと旅をする。

 ポメラをキャンプ道具と一緒にリュックに入れて、この冬は日が落ちるまで走り回った。


 キャンプ場に到着するとリュックからパップテントを広げ、お気に入りのコットンブランケットを取り出し、寝床をつくる。

 ガソリンバーナーをポンピングし火を入れ、先ずはベーコンを焼く。

 ベーコンの香ばしい焼ける香りを楽しみながら手入れを欠かさないナイフでトマトを薄くスライスし、切れ味を楽しむ。レタスを挟みたい所だが……一玉持ち歩く訳にいかない……代用としてサニーレタスで妥協する。レタスは手切りだ。パンに切れ目を入れて焼き上がったベーコン・トマト・レタスをはさみサンドイッチの完成だ。

 お気に入りのスノーピークのパーコレーターで珈琲をたて、サンドイッチと珈琲を楽しむ。チタン製マグカップに珈琲を注ぎ香りを感じる。


 小説を書くときは何時もこのスタイルだ。

 珈琲とサンドイッチが執筆活動の原動力になる。

 ポメラの隣にマグカップとサンドイッチを置く。

 目線を上げるとエストレア。

 キャンプはこのスタイルにいつも落ち着く。

 だから、キャンプ場は車両乗り入れが絶対条件だ。


 ポメラと僕のスタイルはよく似ている。

 ただ執筆しか出来ないポメラ。

 ミニマムキャンプを楽しむ僕にとってポメラは雑味がない無駄を省いた良き相棒だ。


 最高の相棒達と供に僕は楽しむ日々……。


 唯一の不満があるとするなら……。


 僕はポメラでまた……

 『誰にも読まれない駄作の小説』を書き上げた。


 そして明日も無駄な努力をポメラと積み重ねることにした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ポメラ愛が伝わってくる。 [一言] 萌えっ娘ポメラちゃんと過ごす1日の良さは物書きにしかわからない嗜好のひとときですね! わかります!!
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