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ホーリーノヴァ  作者: 虎キリン
17/24

2年後のステータス

2年後


 7歳になったおれとサイカは、ヒの村とミの村を行き来するようになった。じいちゃんは、元気になったのだが、もう、ホーリー大穴の一層に潜ることはしない。代わりに畑を耕して、おれに野菜をいっぱい食べさせてくれる。カークも食べろと、カークが家に来たときいつも言っている。カークは、身長が、1.7メートルになった。サイカを乗せても、乗せていないように速く走る。


「じいちゃん、サイカたちが来たよ」

「やっと来たか」

「おじいちゃん。野菜取りに来た」

「オ、オレモ」


「こりゃカーク。ちゃんと野菜を食っとるじゃろうの」


「クッテル」


「嘘付け、さっきどもっとったろうが」


「オレ、ヤサイ、キライ」


「肉ばっか食っとったら。ええ、大人になれんぞ。分かったら、これを持って行け」


「こんなに!。おじいちゃん、ありがとう」

「ウ、エー」


「カークは、これの半分は食え」


「カーク返事は?」

「ワカッタ、アリガトウ」


「ハハ、じいちゃんそれぐらいで。カークも、肉を持って来てくれるだろ」

「カークも腕をあげたな。じいちゃんの誇りじゃ。みんなに言っとくな」


 みんなとは、カークの家族のこと。おれのじいちゃんと、カークのじいちゃんは、酒飲み友達だ。


 今日、おれたちは、ホーンラビットに挑戦する。ホーンラビットは、猪ぐらいあるウサギだ。2本の角は、1本、スライムの魔石の欠片10個に相当する大物だ。何よりホーンラビットの肉は最高にうまい。


 カイとサキがパーティーを組んだ。今日は、サキのミの村近くで狩りをしている。ここにホーンラビットが出現したという目撃情報が多数入っているからだ。たぶん一匹じゃない。おれたちは、じいちゃんの野菜を持ってミの村のサイカの家経由で、一層に入って二人と合流する。ライバルは多いだろうが、結局だれが狩っても、ホーンラビットの肉にありつける。でも、今日は、おれたちが狩る番だ。


 ホーンラビットは大物だ。一昨年初めて一層に入ってから、まず、青スライム、一角ウサギ、紫スライム、そして初めてのトカゲ。青しっぽトカゲは、青スライム同様、怖くないトカゲだけど、とてもすばしっこい。いざとなったら尻尾を切って逃げるから、厄介だった。トカゲと蛇は、種類こそ変わるが、ずいぶん下の層まで生息しており、習性もよく似ている。その中でもトカゲは、進化すると言ったらいいか、凶暴になっていく。そして、フルーツコウモリ、蛇のコンダを経て今回、ホーンラビットに挑戦する。


 ほかにも、カエルや蜘蛛や蜂と戦った。まだ戦えない、魔犬クーシーや風燕といった多種多様な生物が一層にいて、それが下の層に行くと、恐ろしく強いモンスターになっている。おれたちの当面の目標は、二層に降りること。その先は、人種の到達限界層といわれる四層を突破することだ。その元になる種の動物や怪物は、アンデット以外ほとんど一層にいる。幼い自分の体も成長させないといけないし、一層のモンスターを統べて狩れるように段階を踏んでいるところだ。一層には大人でも勝てないことがあるジャイアントベアーもいる。一層は、奥が深いのだ。


 今まで、おれが悩んでいたのは、人種なのに竜種と同じように上昇するステータスのことだ。ベースステータスも、まだ成長段階だから上がる上がる。恐ろしいスピードでレベルが上がる。

 この世界の限界は、どの種族もLv999と一緒なのだが、人種の限界というのは、だいたいレベル99ぐらい。元々おれは、前世でそれを突破していたし、ドラゴンは、プロトンドラゴンやタイフーンドラゴンの様にLv999より上になる個体もいる。


 おれの場合、竜種と同じスピードで強くなっているため7歳で、人種で言うと人種限界近くのステータスをしている。でも、仲間と共に成長したい。それで、実力を抑えに抑えて日々の狩りをしていたところ、称号「修行を極める者」というのを獲得した。これは、自分の力の1/10が全力になるというもの。この称号を得たおかげで、最近、全力で狩りができるようになった。この称号の性で、レベル上昇がさらに早くなっている。そうなっても1/10なら問題ない。現在、これで負荷をかけまくって、サイカとカークと肩を並べて修行している。だから最近は、狩りが楽しくて仕方ない。


 そして3人の中で、一番の頑張り屋さんのサイカを人種より強くするのがおれの目標。おれは、こいつらと、このダンジョンを攻略したい。


「今日は、サイカがメインだからな。カークはあんまり手を出すなよ」

「ワカッテイル」

「サイカ頼んだぞ」

「うん」


 ここで、サイカのステータスを見て保存を更新した。


サイカ 人族 召喚士


Lv:10

HP:126

MP:126

SP:126

攻撃:54

防御:52

魔力:33

速さ:77

属性:光


スキル

 風障壁 バリア


称号

 竜の守り手



 サイカは、ここ2年で、防御力をものすごく伸ばした。光属性のバリア魔法をずっと修行していたので、カークが危なくなった時、何度かその力を発揮して助けている。称号:竜の守り手は、その時得た。これのおかげで弱点だった防御が一挙に+20補正された。いまでは、得意だった攻撃力を抜きそうな勢いだ。


「じゃ、じいちゃん行ってくる。カーク行くぞ」

「オウ」

「気いつけてな」


 そしてカークのステータス


カーク 恐竜族 召喚獣


Lv:28

HP:1502

MP:1502

SP:1348

攻撃:223

防御:363

魔力:108

速さ:526

属性:風


スキル

 脱兎 風障壁 砕牙 回転蹴り


称号

 太古の記憶を受け継ぎし者 魔石を掴む者


 カークは、恐竜でもスピードタイプ。そして掴み攻撃や蹴り攻撃が得意。ずっと青スライムの魔石をサイカと取り出そうと修行していて、目的とは違うが、それをしつこくやっていたおかげで、スライムの核を握りつぶせるようになった。称号:魔石を掴む者を得て、モンスターの核がどこにあるか分かるようになった。



 おれたちは、カイのあんちゃんと、サキがいるミの村の入り口に向かった。その道中で、おれのスキルを整理した。殆どのスキルをOFFにしているが、伸ばしたいスキルもある。


オビト 人族 竜騎士


Lv:87

HP:4289

MP:6227

SP:3898

攻撃:1038

防御:979

魔力:10753

速さ:1260

属性:風


スキル

 風障壁 視覚強化 聴覚強化 嗅覚強化 鋭気功、硬気功 剛気功 鷹の目 ウサギの耳 犬の鼻 能力向上 筋力強靭 四肢硬化 加速 倍加速 超加速 毒耐性 マヒ耐性 痛み無効化 鑑定 賢者 六属性耐性 合成魔法・・・etc


称号

 時空を渡りし者 母姉の生命を受けし者 森羅万象を解く者 ドラゴンスレーヤー 天使の祝福を受けし者 修行を極める者


エレメンタル


光:2724

火:2144

風:3001

水:1825

土:2231

闇:1614


 この中で、スキルの合成魔法というのをONにして、新たな魔法を覚えたい。せっかく6属性の魔法が使えるのに何で合成魔法の修業しないんじゃと、じいちゃんに怒られた。でも、合成魔法なんて誰も教えてくれない。今までは各属性魔法を覚えて棲み分けするために、このスキルを切っていたが、これからは頑張ろうと思う。


「なあ、サイカ。合成魔法を考えてくれたか?」

「サキお姉ちゃんに聞いたよ。相性のいい属性を掛け合わせたらどうかなって言ってた。例えば、ベースは火属性。風は火を煽るでしょう。火は光を出すから、光とも相性がいいんじゃないかなだって」

「なるほど、憶えとく」


「オビトハ、ゴウセイマホウカ。オレハ、トクイワザガ、スクナスギルッテ、ジイチャンニ、オコラレタ」

「この間、実家に帰った時だろ。それ、うちのじいちゃんに聞いた。最近は、紫スライムとかと戦ってたんだ。普通、毒耐性ぐらい持っているはずだもんな。実家で酒飲んでぶっ倒れたんだろ。サイカに守られ過ぎじゃないか」

「ダヨナ。ソレデ、トクイワザヲキカレテ、スクナスギルト、アキレラレタ」

「サイカが、砂化魔法を練習している時に、二人で狩りに行ってみるか?。過酷になるけど」

「サイカ、イイカ」

「ダメよ、怪我するじゃない」

「カークを甘やかすなよ」

「でもー」

「ダイジョウブダッテ」


 おれたちは、ここらで、もう一ランク力をつけないといけないのだ。

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