魔女が人間を憎む理由
―昔からの言い伝え―
この世には魔女が存在するらしい。
その魔女の【眼】を手に入れると………
―今から300年前―2800年―
とある王国で魔女と国の兵士達による争いが行われていた。
兵士A「いたぞ!魔女だ!!魔女を見つけたぞ!!」
兵士B「早く殺せ!殺して奴の【眼】を手に入れろ!!」
兵士C「あそこだ!攻撃しろ!!!」
ヒュンヒュン ゴォォォォ
兵士達はあらゆる兵器を使い魔女に攻撃を仕掛けていたが、それは魔女には一つも効きはしなかった。
攻撃を避けながら魔女はこんなことを考えていた。どうして…人間はあんなに醜い生き物なのだろう……と。
兵士C「くそっ!全然当たらない...!どうしたら奴を仕留められるんだっ...!!」
と、そこへ
?「焦るな...タイミングは必ず来る」
兵士A「っ!王!!何故あなたがここへ!?ここは危険です!早く安全なところへ!!」
王「大丈夫だ...私に作戦がある。他の兵士達を全員集めよ」
兵士A「っ...はっ!」
争いの場にこの国の国王が訪れたのだ。そして集められた兵士達にこんな事を言った。
王「皆よく聞け。奴の弱点は【眼】だ。そこを狙え。しかしそう簡単に攻撃は当たらん。作戦はこうだ――」
王は考えに考え抜いた作戦を兵士達に話し始めた。
王「私が合図したら一斉に攻撃をしろ。分かったな?」
兵士達「はっ!!!」
魔女は空からその様子を眺めていた。
(奴らは何を話している…?何を仕掛けてくる…?)
王の話を聞き終え散らばった兵士達は王の作戦通りに動き始めた。
―そして―
兵士A「あそこだ!行ったぞ!!」
王「今だ!!!一斉に攻撃しろ!!!」
兵士達「おおおぉぉぉぉぉ!!!!」
王の合図と共に兵士達は一斉に攻撃を仕掛ける。その攻撃の一部が魔女へと当たる。そしてそれは【眼】にも当たったのだ。
魔女「!?!?ああ"あ"あっっ…!?!?」
ドサッ...
王の作戦は上手くいき、攻撃を食らってしまった魔女は地面に落ちていった。
兵士A「っ!!やりました!!王!!!」
王「よくやった!しかし気を抜くな!早く奴を取り押さえろ!!」
兵士A「はっ!!」
魔女「ぐはっ......」
攻撃を受けた魔女は瀕死の状態だった。視界はぼやけ、意識も薄れて身体を動かすことが出来なかった。
王「くくく...ようやく...ようやくだ...私が...はっはっはっはっ!!!さぁ、魔女...その【眼】を頂戴するとしようか!」
グチュ……グリグリ………
魔女「っっっ!!!!!」
【眼】をくり抜かれ激痛...いや、言葉に出来ないほどの痛みが魔女を襲う。しかし声が出ない。
不老不死と呼ばれた魔女だったがさすがに【死】を覚悟した。
何せ不老不死と言っても両目を無くしてしまうと死んでしまうのだ...。しかしこの事は人間には知られていないらしい。
魔女は薄れゆく意識の中こんなことを考えていた。
なぜ私がこんな目に合わなくてはならないのかと...どうしてこんな事になってしまったんだ...人間よりもはるかに優れているはずの魔女の私が負けることがあっていいのか...人間が憎い、憎い憎い憎い憎い憎い憎い...いつか人間なんて全員、一人残らず殺してやる...その為にはこんなとこで死ぬ訳にはいかない...と...!
王「ふふふ...はっはっはっはっ!!遂に手に入れたぞ!魔女の【眼】を!!!さぁ!もう片方の【眼】も頂こうか!!」
と、王が叫ぶ。
すると突如魔女の体を黒い炎が包み込んだ。
王「!?何だっ!?この黒い炎は!?うわあああ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁ熱いっ!!熱いぃぃっっ!!」
黒い炎は王の身体も包み込んでいった。
王はあまりの熱さに魔女を突き飛ばしたが、次の瞬間には魔女は消え、王の身体を包んでいた黒い炎も消えていった...
魔女から奪った【眼】もきえていた。
王の身体は全身火傷を負い、醜い姿になっていた。
しかし一部だけ火傷の跡がなく、代わりに不思議な刻印が刻まれていた。
その刻印は何日、何ヶ月、何年経っても何をしても消えず、王の子孫にまで刻まれていったという...
――魔女の行方は...誰にも分からなかった――
はじめましてナインです。
小説書くのは初めての超絶初心者です。
【片目のない魔女と盲目少年】読んでいただきありがとうございます。
なんとなく思い浮かんだストーリーを書いてるのでおかしい部分があると思いますが、そこは突っ込まずに読んでいただけるとありがたい…笑
不定期で投稿していくので気が向いたら読んでいただけると嬉しいです