最終回
「きゃああああ!」
私は思わず叫んでしまった。
あの人だかりは、、、やはり
私の作品が下手すぎて、
ギャラリー集めちゃったから?
私はギャラリーの方へ
すると、そこに衝撃的な事実が
「きゃあああああああ!」
みんなが私を見る。
「すいません」
なんて言うことなの。
私の描いた下手な絵の隣にある、、、
武田君の作品が、、、
気持ち悪すぎる。
①立体的に飛び出してる
②武田君が、女性のパンツを被った絵
そして、、、
③上手い下手を超越した破壊的な絵
思わず見た絵の気持ち悪さに、口に手を抑え
トイレに駆け込んだ。
×× ×× ×× ×× ×× ××
「オエエ」
なんか、吐きそう。
何あの絵。
気持ち悪!!
でもなんか、
助かった。
あの絵が気持ち悪すぎて、
隣にある私の絵が全然目立たなかった。
ありがとう、武田君。
誰が私のトイレのドアを叩く
「ねえ、大丈夫?!」
友達の絵里が来てくれた。
「大丈夫!」
私は、心配を全て水に流して
すっきりしたまま、教室へ向かった。
×× ×× ×× ×× ×× ××
なんか、
やりきったなあ。
今日、放課後美術室で、
美術の先生に泣かれた。
2、3時間ずっと。
最初は説教だった。
「なんで、なんでこんな作品書いたのお!?
あなたには、人に響く、芸術の趣とか、、、
そういうのがわからないの!?」
そして3時間後。
「なんでえええええ!なんで、なにこれえええ、
なんでそんな絵に愛がないのよおおおお!」
いや、愛は
あるですよね、これが。
俺は作品1つで、
人を救った。
「ありがとうございました」
そう言い、美術室から出る。
不器用は、武器だ。
今日も風が気持ちいい。
その時だったー
ーふと横を見ると、、、
美沙ちゃんがこっちを見つめていた。
「あ」ー
ー「あ」
時間が少し止まる。
「あの」
俺が近づいた時だった。
「武田、、、君だよね」
美沙ちゃんが口を開いた。
「うん」
「ありがとう!」ー
ーズッキュン
胸に愛の鐘が響き渡る。
ありがとう、、、
ありがとう、、、、
ありがとう、、、、、
そう言うと、美沙ちゃんは去っていった。
こんな不器用な俺にも、
誰かのために役立つ瞬間が来たのかもしれない。
帰り、気分が良すぎて
ヒトカラに行った。
今日は、
嵐のlove so sweetでも歌おう。
そう、マイクを手に取り当たった。
「輝いたのは、鏡でもなく、太陽でもなくて」
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアン!
カラオケのテレビが壊れた。
「えええええ」
画面に0点と表示された。
音痴すぎて、、、爆発したようだ。
あーーあ、
やっぱり俺何やってもダメだなあ。
ありがとう、、、か。
まあ、今日はその一言があれば
乗り切れそうだ。
翌日、
50万円弁償した。
冠