戦争の根源
時は未来ー
地球全土の温暖化は留まる事を知らず、全国各地での震災が多発し環境は大きく変化。
その影響で地球のあらゆる土地が乾燥、衰退していった。
すると、衰退した土地は次第に作物が育たなくなり、全国で食料難が問題視される様になった。
そこで、国際連合共和組合通称"UNR"は最悪の事態を回避すべく採れた食料を収集し、それを各国へ均等に配布する「食料収布制度」を可決、それで全てが上手く行く筈だった。
しかし、人類が思うほどに温暖化の進行は速く、既に地球上の20%程の土地が衰退していた。やがて利益の少ない土地が現れ始め、その土地はUNRの判断により食料が配布されなくなってしまう。
その為、食料を求める争いが多発し治安が悪化、その矛先はUNRに向けられていった。
ザクッ ザクッ ザクッ…
多くの死体が倒れる荒廃した街に乾いた足音が響く。
「ここもか…」
「仕方ないですよ、何せUNRが食料を配布し
てないんですから…。」
「うわっ、こいつ家族の人肉食って死んでら…」
「HQこちら"ラインフォード"。生存者は確認されず、直ちに帰還用のヘリを向かわせてくれ」
それから1年後…
地球という揺り籠は、もはや死に満ちた地獄でしかなかった…。
数少ない食料の配布は権力のある者を優先されていた故に、飢えに耐えきれず自分の肉を食う者もいれば、食料を巡って家族と殺し合う者もいた。
"食べ物の恨みは恐ろしい"
その言葉を人類は身を持って知ったのである…
11月4日、午前10時…
突如としてUNRのテレビに通信ジャックが入る。
「UNRの者に告ぐ、我々はハルベスタン共和国軍総帥メイソン・デイビスだ。これよりハルベスタン共和国はこれからの人類の未来の為、武装組織シャドウ・アイを設立する!!」
突然、テレビモニターに白髪でずっしりとした中年位の男が写り込んだ。UNR政府は急な事態に驚きを隠せなかった。
「おいおい、ハルベスタン共和国って食料収布制度が始まって最初に配布を停止させられた国だったよな?」
「あぁ、だがそれも一年前の話だ。どうやってこの食料困難の中生き残ったんだ?」
UNR政府は半ばパニックに陥っていた。
「UNRが可決した食料収布制度は世界から収集した食料を均一に配布し、世界の食料困難を避けると言うのは言わずして分かる事だ。だがしかし、裏を返せば我々のように枯渇した地帯に住む者はそのスタートラインにすら立たせて貰えないという事だ。その為一方的に食料の配布を停止させられた…」
シャドウ・アイの演説の途中でUNR本部に緊急伝達が入った。
「こちら欧州方面支局、弾頭貯蔵庫に正体不明集団の攻撃を確認した!!奴らの肩にマークがある……"SE"…?」
「"シャドウ・アイ"!奴らだ!!」
「何故弾頭貯蔵庫に攻撃を…?」
モニターの男は再び話し始めた。
「我々シャドウ・アイはこの時を待っていた。飢えに、絶望に、そして屈辱に耐えたのだ!!これから諸君らには我々が味わってきた以上の苦しみを味わうことになるだろう…。Glory・Shadow・Eye!!」
後の記録によるとシャドウ・アイは奪取した数々の核弾頭を使い各国の主要都市に核攻撃を行った。
数え切れない程の死者が出た事は言うまでもない。
当時の人口約110億人に対し残った人口は約50億人。半数以上の罪の無き人々が死亡した。
これは歴史上最悪のテロ事件として全世界の人間が注目した。
これによりUNRは各国の軍を統括し、新しい軍事組織"国際連邦軍(IFF)"を結成した。
その後、アパラチア山脈にて科学者レサ・ブッテルスカヤが全く新しい構造で出来た物質を発見した。性質的には鉄などと同じように加熱することで加工出来るがその物質が注目された一番の理由は他にある。
この頃、シャドウ・アイの全面核攻撃で世界の大半の土地が放射線物質により汚染されていた。それも生身で立ち入ると数十分で死に至る程のものであった。
だが、この新物質は放射線などの汚染物質を完全に遮断する特性を持つものであった。
この物質の名は発見者のレサから取り"レサニウム"と名付けられた。この数ヶ月後、未来の技術発展を願い技術世紀と言う年代に移行した。
UNRはこのレサニウムを用いた人型歩行科学兵器の開発を計画していった。勿論、シャドウ・アイの戦力撲滅を目的としたものだ。
技術世紀1年、2月4日UNRはこの科学兵器開発計画"LM計画"を始動。
この時既に、世界規模の戦争は始まっていた。
初めての投稿作品です!!
ラリムマシンとはー
UNRが立案したLM計画により開発された人型歩行科学兵器です。名前の由来はLand Battle Surgery Mobile Armament Machine(陸戦術機動兵装機器)の文字を取りLARIM-MACHINEとなっています。