冷たい息
魔力保有量=MPです。
朝、目を覚ました。
今日は実にいい天気で、
天を見上げると快晴の青空が視界一面に広がる。
風は冷たく、大きい草にくるまって寝ていた
俺の体を優しく撫でる。
あぁ、こんな日は歌でも歌いたいなぁ。
朝に一発、ガチャでも引くか、
ぽちっとな。
そうそう、ガチャ時のレア度は、
N.H.R.SR.SSR.SSSR.URだ。
N.Hが白、Rが青、SR.SSRがシルバー、SSSRが金
で、URが虹だ。
こんかいは、ちっHか。
≪獲得 水筒≫
水筒?そういえば超喉乾いたな。
今おもうと、昨日の夕方ごろ召喚されて
以降、一度も水を飲んでいない。
水筒の中は空で、保温性もある肩掛け可能の
物だった。小学生以来だな。
こうやって水筒を持つのは。
中身ないけど。
あ゛ーー喉乾いたー!
どっかに川ねぇかなぁ。
湖でもいいな。海と池は勘弁して。
うーやべえな。
本当に喉乾いた。
今、適当に森っぽいところをフラフラ
しているが、うーん。
作るのにも時間かかるし、
ビニル袋とかがないからムズいな。
ん?なんかざわざわと音がするな。
あれは、川だ!よかった!
水質は良さげで、飲んでも大丈夫そうだった。
水筒ですくって川の水を飲む。
あー、癒される~。
しっかり水筒に入れていこう。
ふー、気分がいい。
少し歌でも歌おう。
ちなみに今の俺の歌声は
元の上手さもあいまって、
カラオケにいくと200点くらいとれそうなほど
美声である。
では、聞いてください。誰もいないけど。
槇○敬介の
冬が○じまるよ。
冬が始まるよ、ほらまた
僕のそばで~。
ピキッペキッバシャァァン!!
うぇぇぇぇぇぇ!?なになに?
なんの音だよ!?今絶対すんごいことが起きた!
っつーかさむ!
さっきまで暑かったのに、ていうか、
暑かったから気分を和らげようと
冬が○じまるよ歌ったのに。
かえって寒くなるって何よ。
なん?今、目を閉じているのに鑑定が
発動した。
名前 なし
種族 凍結龍フリーズドラゴン
ry...
ふぁ!?
なんかヤバイの出た。
俺の中二知識だとりゅうには、竜と龍があって、
龍が神話とか伝説レベルのヤヴァイ方!
目を開けると、そこには
全身ダイヤモンドのように美しい鱗で覆われ、
水色に近い色をした体に
赤い二つの宝玉のような美しい眼が爛々と
輝いていた。
龍は、鼻が当たるほど近く、
俺の体で龍の鼻先程度の大きさ。
口から冷たい息をだすと、
全身凍るんじゃないかと思うほど
冷たい冷気が正面からあたる。
あぁ、俺ここで死ぬのかなぁ。
短い異世界ライフだったなぁ。
「そなたが先程歌っておったものか?」
「え?あ、はい。」
普通にしゃべっている。
音量はでかいけど、
「うむ、実に素晴らしい歌声であった。
すまぬが、もう一曲歌ってはくれぬだろうか?
そなたの中で、一番素晴らしい歌を」
「あ、はい。」
ひょっとして俺は今、
いきるチャンスを与えられている?
なら、これに食らいつかなくてどうする。
なんとしてでも生き残ってやる。
俺がいっちばん好きなのは
スキマ○イッチの奏だな。
この歌は誰が聞いても
美しいでも素晴らしいでもでてくるだろう。
よし、声の調子は大丈夫だ。
すぅーはぁー、
改札の前、繋ぐ手と手、、
いつものざわry.
歌い終わり、目を開け、龍の様子をうかがうと、
深紅の瞳から涙を流している。
おぉ、ここまで感動してくれるとは
おもわなんだ。
「うむ、うむ。実によい歌であった。
切なくも美しい人同士の愛の歌か。
よく聞く類いのものであったが、格別じゃ。
気に入った。この子をそなたに授けよう。」
そうやって渡されたのは、
触ると手が凍るんじゃね?って
思うほど冷気を漂わせる
水色ダイヤモンドのようなものに
包まれた塊だった。
卵だろうか。
「これは、我の生んだ卵だ。
我の種族はもうわししかおらん。
いくら神話に登場する龍かて、寿命には敵わん。
我はもうじき死ぬ。この子はもうじき孵化する。
であるから、そなたにこの子を託そうと思う。
受け取ってはくれぬだろうか?」
たぶん、この龍を放っておけば、
龍の子でも、生まれたてだと
そこらのスライムやゴブリンに
食われて死んでしまうだろう。
それはあってはならん。
よし、引き受けよう。
「わかった。引き受けよう。」
「うむ、ありがとう。
そなたの歌をこの子にもきかせてやってくれ。
食事は孵化して三ヶ月の間は必要ない。
主食は肉、氷、魔力だ。」
「うん。わかった。
5日に一回は絶対にきかせよう。」
「うむ。では、頼んだ。最後に
我の加護をやろう。我が死んでも加護は消え
ぬ。有効活用するがよい。」
≪加護 凍結龍の加護を取得しました。≫
「届いたよ。ありがとう。大切に育てるよ。」
「うむ。孵化すれば、この子を自動的に
そなたの従魔になるよう設定しておこう。
そして、我が死んだとき、我の素材を
そなたの持つ異次元空間に送られるように
しておく。アイテムボックスというスキルを
修得せよ。さすれば、我が素材を
手に入れれよう。」
「何から何までありがとうな。
凍結龍。」
「うむ。子を引き取ってくれる相手だ。
気にするでないわ。では、
そろそろ我は飛びだとう。
ではの。」
「あぁ、ありがとう。」
凍結龍は、粉雪を撒き散らしながら、
天へ飛び立った。
あまりにも美しいその飛び様に、
俺は思わずみとれていた。
「ありがとう!!」
大きく声をあげ礼を言う。
凍結龍は氷を天空に作ったかと思うと、
そこに吸い込まれるかのように入っていった。
姿が見えなくなると、
ピキッという音がした。
振り返ると卵にヒビが入っていた。
孵化が始まっていた。
え?今親が飛びだったばっかだよ?
このタイミングで?
おーい!凍結龍もどってこーい!!
タイミング悪ぅ!!
パキッ、 どうやら頑張って
外に出ようとしているようだ。
「頑張れ!もう少し!あと少しだ!
頑張れ!」
ピキッペキッパキッパキパキ。
パン!
卵が弾けた。
思わず目を閉じてしまったが、
そこには水色の肌で、まだ鱗が生えていない
龍の姿があった。
今浜だ手のひらサイズだ。
「きゅー、きゅー。」
うぉぉ!!かわいいえええ!!
翔弥を見つけると、這うように
卵から脱出して、翔弥の方に必死に近づく。
俺は拾い上げ、顔に近づけると、
ペロペロとなめた。
舌は温かく直に温もりが伝わる。
名前はどうしようか。
ユミルだ。
「お前は今日からユミルだ。
ユミルーって呼んだらくるんだぞ~?」
「きゅー、きゅー。」
鑑定してみよう。
きっと名前の項目にユミルと
記載されているだろう。
名前 ユミル
LV1 (固定)
種族 凍結龍王フリーズドラゴン
主 結城翔弥
称号 龍王
ステータス
攻撃 44381
防御 35750
俊敏 18855
魔力 53582
魔力保有量 89557
スキル 氷魔法10 結界魔法10 威圧10
EX ブレス 龍王の威圧
固有 共有化
加護 氷神眷属の加護
ファ!?
何でこんなにステータス高いんだよ!?
おかしいだろおいおい。
生まれたてだから
使い方とかわかんないだろうから
大丈夫だけど使い方を覚え、もし敵対したときを
考えると...考えたくもないな。
でも、レベル1で固定ということは、
これ以上は後に付与される加護や、
ハブ効果の魔法を使わないと
強くならないということか。
なるほどねぇ。
ところで、固有スキルの共有化って何だ?
神インフォ答えて。
≪i,共有化は、自分のステータスを
他の人と共有することができるスキルです。
レア度は低く、この世界にもかなりの数
共有化を持つものが存在します。
共有化の発動者は、
受けとることはできず、
与えることしかできません。人数は1人までと
限られています。
自分の眷属、または主、または発動者と
一定以上の関係がなければ発動できません。≫
なるほど。
じゃあ俺一気に強くなるじゃん。
早速共有してもらった。
そういえば、
アイテムスキルってどうやって習得するんだ?
と、人里を求めて川を下りながら考えている。
神インフォ、答えて。
≪i,空間魔法の応用で入手することができます。
なお、空間魔法を行使できるのは
マスター(翔弥)と空間龍王、空間龍のみです。≫
なるほど。
んじゃあ空間魔法を鍛えたらいいのか。
あれだよな?魔法って俺の中二知識だと、
体に流れる魔力をイメージして
出せるんだったよな?
やってみるか。
イメージ、イメージ。
んで、俺のステータスは
やたら氷に特化してるみたいだから、
そうだな。ロックアイス位のやつをだしてみるか。
手から、放出!
手の前で氷が発生し、
一瞬で平原の辺り一面を氷に包み込んだ。
あっるえぇ?
え、えっと、解除!
お、氷消えた。よかった~。
幸いか不運か人も魔獣もいなかったので
なにもおきなかった。
ユミルがきゅーきゅーいっている。
ビックリさせてしまっただろうか。
今度はロックアイスではなく
氷の粒子どころか、ほとんど存在してない
レベルのをイメージする。
すると、ロックアイス程度のやつがでてきた。
魔力の制御というのだろうか。
それが難しいな。
少しずつ覚えていこう。
それと、適性が適性だからか、全然
魔力を消費していない。
100とかそれっぽっちだ。
氷神やら凍結龍王の加護やらのおかげか、
氷魔法だけ限界突破値が50もいっている。
さらに、氷魔法発動時消費魔力軽減や、
氷魔法発動時威力向上などの
効果もついているので、氷魔法だけなら
なんか超強かった。
共有化しているおかげで、MPが
俺が扱う場合全く減らず、かつ
強力なので、正直超強い。
MP回復速度upとか言うスキル
ないだろうか。教えて神インフォ!
≪i,存在します。魔力保有量を
最低まで消費し、ポーションや果実などで、
即座に回復することによって
習得可能です。また、類似スキルとして
HP回復速度upというスキルも存在し、
体に極限のダメージを与え、ポーションなどで
回復することによって習得可能です。
同じ方法で体に極限のダメージを与え続ける
ことによって、不屈というスキルを入手可能です。
死に匹敵するダメージを与えられ
ても、99%の確率で耐えられるようになります。≫
へぇ、追加知識が多いな。
ありがたいけどさ。
うーん。
また森かぁ。
でも、あれだな。
この世界について知らないことが多いし、
森の方が色々学べるだろうから
そうだなぁ。一年ほど籠るか。
昨日の完璧におかしかったですね。
すみません。気をつけます。
それと、今回から新たにスキル欄に
行使可能魔法を表示することにしました。
ステータスに体力の概念を追加しました。
体力=HPです。
名前 結城翔弥
LV18
種族 ヒューマ
犯罪履歴 なし
従魔 凍結龍王フリーズドラゴン
称号 龍王の主
ステータス
体力 2700
攻撃 325
防御 288
俊敏 173
魔力 2951
魔力保有量 10329
スキル 剣術10 (27) 料理10 (12) 音楽10(15)
歌10 (13) 鍛冶10 (21)
氷魔法10 (50) 空間魔法1 結界魔法1
EX 限界突破 鑑定
経験値獲得20倍 必要経験値短縮(1/4)
イメージ力up 全ステータスup
固有 神information
魔力強奪 氷神
加護 凍結龍王の加護 凍結龍の加護 氷神の加護
装備 鉄の剣