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第34話

不穏な後始末


26室ではアナログにも手書きで報告書を作成する三人の姿があった。ペンの走る音だけが室内を闊歩し、少しだけ重苦しい空気に陵司は耐えられなくなり背筋を思い切り伸ばす。


「・・・ウーンッ。今更なんだが、なんで今の時代に手書きなんだよ?時間掛かってしょうがねえぞ。」


すると真面目にデスクに向かい続けている雹が宥めるような声を出す。


「しょうがないよ陵君。えっとー、たしか手書きが一番いいんだよっ。」


「・・・せめてなんか理由を言ってくれよな。」


二人の会話を何も言わず聞いていた明香は自らの事務仕事をさっさと済ませ、呆れたように二人を見ていた。


「そんなのは決まってるでしょ、安全対策よ。結局アナログが一番管理しやすいの。どんな特技で攻められるか分かったもんじゃないからね。情報端末なんて使ってるけど、出来るとこはアナログに回帰してるんだよ。」


「ほぉーっ。」


「へーっ。」


納得する二人は再び事務仕事に戻るが、再び陵司の手が止まり何かが気になっていた。


「そういやこの事件の死体盗んでた容疑者ってどうなったんだ?捕まえた後のことはあんまり情報来ないし、結局のところ特局は実行部隊なんだよな。」


その言葉に明香は軽く頷き、デスクの中から少し古い手帳を取り出しパラパラと開く。


「あの容疑者ね。妙に潔い感じだったから気になってはいたけど、本人の希望もあって特技特別収監施設に入ったみたいよ。」


「ほぉ。あそこはあんまりいい噂聞かないけど、収監施設だからいい噂が聞こえる方が問題か。」


特技特別収監施設、それは通常の刑務所では収監しきれない特技を持った、罪を犯した者を収監する為の施設であった。通常の刑務所とは段違いの警備体制に、地下深くに作られた頑強な施設によって逃亡を防ぐ。


しかし陵司の中に一つの疑問が湧いていた。


「だけど、確かに少々問題ありだったような気はするけどあそこに入れられるような罪だったか?数は数だったけど、死体損壊と一応誘拐もあるとなると・・・、入ってもおかしくはねえか。」


「そうね。ご遺体も元に戻す事は出来ないらしいし、何より本人が入りたがってたみたいだから妥当かもしれないわね。それよりも早くそれ済ませなさい。」


「それもそうだな。収監施設に入ってるやつの事考えてもしょうがねえか。」


頭から考えを振り払い、事務仕事に陵司は戻る。

それでもどこかこの事件の容疑者である土屋の事が頭の片隅に引っかかり、なかなか事務仕事が捗らず小言を受け続ける陵司であった。



とりあえずこの事件は終了です。

後々登場予定あり的な終わり方でした。


そのうちもう一人大事な容疑者を出していきます。

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