第29話
不穏な雰囲気
要請によって出動した三人は、不思議な要請に首を傾げながら空になった棺桶を見つめている。
三人は最近立て続けに起こっている、連続遺体盗難事件の要請を受け捜査を始めていた。
「何が目的なんだ?遺体盗んで何しようっつうんだよ、なあ雹。」
「そうだねー。家族の人達も悲しんでるというより困ってたよ。お通夜もまだだって。」
「そりゃあ困るはずだな。それにしたってまたなんで特局に要請きたんだ?要請が来るような事件じゃない気もするけどな。」
「そうかもねー。今、明香さんが防犯カメラ見に行ってるよー。」
すると全身黒ずくめで斎場の雰囲気的には間違っていない明香が、防犯カメラに収められた映像をコピーして戻ってくる。
三人はワンボックスに乗り込み、コピーしてきた防犯カメラの映像を再生すると呼ばれた理由を陵司と雹はすぐに察知していた。
映像は夜中であり誰もいない斎場の様子が少しだけ薄暗く映されているが、そこにボロボロの服を着た人物が入ってくる。
カメラに映されている事など気にする様子もなく、祭壇に置かれた棺桶に近付く姿を見て何か映像のおかしな点に陵司が気付いていた。
「なんか縮尺おかしくねえか?これ二メートル余裕で超えてるだろ。」
「おっきいねー。僕が手を伸ばして届くかな?」
映像の中では大男が鍵のかかった棺桶を強引に開き、中の遺体を担ぎ上げると斎場を出て行く。
そして監視カメラは出て行く大男を正面から捉えていた。
顔中に無数に走る縫い傷、正に死んだような眼、そしてどことなく感じる異形の雰囲気に陵司は眉間にシワを寄せ、雹は思わず目を逸らす。
再生が終わると、明香は表情を変えずに口を開いていた。
「おそらく映っていた人物は容疑者ではない可能性が高い。そして容疑者の特技はフランケンシュタインとかそこら辺の可能性が高いわね。」
陵司と雹は納得しながら明香の話を聞いていたが、ここから先の捜査について疑問に思う。
「確かにそんな感じだよな。だけど、どうするっつうんだ?容疑者見つけられるような特技持ってねえぞ。」
「そうだねー。だけど・・・、もしかしたら僕のは出来なくはないかも。」
雹の言葉に満足そうに明香は頷き、陵司ももしかしたらと考える。
「そういやそうだな。手間は掛かりそうだけど、いけない事もないか。」
「じゃあ頑張って探してみるよっ。」
ワンボックスから降りた雹と陵司はまずは容疑者の手ががりを探しに、斎場の周囲から捜査に入る。
明香はゆっくりワンボックスから降りると、捜査を始める二人を見守るように最後尾をついていくのであった。
とりあえず戦闘までは辿り着けませんでしたが、次話以降戦闘予定です。
一応大事な容疑者?になる予定です。




