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第21話

三人


三人となった26室ではゆったりとした時間ではなく、非常に濃密でジットリとした空間が作り出されていた。


魔女の秘薬により26室内の空気は半減され、更に室温は高く湿度も上げられ陵司と雹は追い込まれていた。


「二人共まだ余裕みたいね、あと年の数だけ追加しましょうか。」


黒いローブに全身を包んでいても汗一つかかず冷静な声を出す明香の目の前では、猛烈な勢いで動き続けるランニングマシンに乗る陵司と雹の姿があった。


「ハッヒッハッ、フッ、ハッ、明香姉よっ。走ってるのに年の数って何なんだよっ!」


「もっ、もう僕は股関節が外れるかもしれないかもっ・・・。」


戦闘服ともいえるロングコートとスーツ姿で全力を超えて走り続ける二人に向かい、いい笑顔で明香は告げていた。


「キロ数と意識を失う回数、どっちがいい?今日は特別選ばせてあげる。」


息も絶え絶えになんとか二人はキロ数を選択するが、それはそれで辛い選択であり身を削る訓練に勤しんでいく。


それでもなんとかインターバルまで辿り着くと、陵司は両膝に手を置いて倒れようとする身体を支え、雹は自らのスーツに特技を掛け力の抜ける身体を強引に立たせる。

まだ倒れない二人を前に、明香は黒いローブから伸びる少し病的とも言える程の色白な指で少し尖った顎をゆっくり掻きながら考えていた。


(二人共よく鍛えてるみたいね、保たないと思ってからよく保つ事。もう少し鍛えなきゃと思っていたけど・・・、そう言えばあたし後輩の指導なんて初めてだからここからどうすればいいのかしら?)


それでもそんな悩みは表には出さず、表情一つ変えずに次のトレーニングを明香は命じる。

怪しく発光し、そして不気味に発酵する魔女の秘薬を嫌がる二人に飲み込ませるとトレーニングは更に加速し、明香は納得の表情を浮かべていた。


(あたしのここで残りの仕事はこの二人をどこに出しても生き残れるようにする事。うん。やっぱり甘やかしちゃダメね。)


床に倒れながら胸を上下させて息を吐く陵司と雹を見ながら、決意を固めた明香ではあるがそこに緊急要請を伝える音が室内に鳴り響く。


手慣れた様子で備え付けのパソコンに手を伸ばした明香は手短に操作すると、要請音を聞きスッと立ち上がっている二人に声を掛ける。


「陵、雹、一分で支度して車に乗って行くよっ。」


「了解っと。」


「はいっ、急いで準備しますっ。」


三人は持つべき物を持ち準備を済ませると、地下駐車場の黒いワンボックスに乗り込み要請のあった現場へ急ぎ走らせて行くのであった。



ここからはしばし26班三名によるお話が続いていきます。

問題としては次出てくる容疑者すら思いついてない事でしょうか?

素敵な容疑者を考えつけたらいいなー。

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